VisaやMastercard、Stripe、BlackRockなど140社超が参加するステーブルコイン構想「OpenUSD(OUSD)」が始動した。これを受け、Rippleの元シニアエンジニア、マット・ハミルトン氏は、新構想の仕組みがXRPレジャー(XRPL)の初期設計と重なるとの見方を示した。
ブロックチェーン専門メディアのU.Todayによると、ハミルトン氏は1日(現地時間)、X(旧Twitter)への投稿で「XRPLの当初の発想は、あらゆる銀行が自前のステーブルコインを発行するという前提に立っていた」と説明した。
発端となったのは、OpenUSDの始動を受け、市場で「汎用的なステーブルコイン標準が新たに生まれるのではないか」との見方が広がったことだ。これに対しハミルトン氏は、XRPLは当初から、各金融機関が独自のデジタル資産を発行し、それらを単一のネットワーク上で自由に交換できるよう設計されていたと指摘した。
同氏によると、XRPLの開発陣は初期段階から、銀行がそれぞれステーブルコインを発行する展開を想定していた。このため、ユーザー定義トークンの発行機能に加え、自動化されたオーダーブック型の分散型取引所(DEX)をネットワークに標準搭載したという。異なる機関が発行した資産でも、同じネットワーク内で売買できるようにする狙いがあった。
ハミルトン氏は「誰でもステーブルコインを発行できる機能と内蔵DEXをXRPLに実装したのは、すべての銀行が自社のステーブルコインを必要とすると考えたからだ。当時はそうならなかったが、XRPLは15年先を行っていた」と述べた。
今回始動したOpenUSDも、こうした発想に近い構造を採用している。参画企業はそれぞれ独自のステーブルコインを発行でき、準備資産から生じる収益も各社が個別に受け取る仕組みだ。このため、VisaやStripe、Coinbaseなど、参加企業ごとに異なるステーブルコインが発行される可能性がある。ハミルトン氏は、こうしたモデルがXRPL開発陣の当初構想と重なると評価した。
Rippleはこのプロジェクトに統合パートナーとして参加した。これにより、コンソーシアムが発行する新たな資産はXRPL上でサポートされる。従来から備わっていたトークン発行機能と内蔵DEXが、当初想定された役割を改めて帯び始めたとの受け止めも出ている。
ハミルトン氏の発言は、初期のブロックチェーンが描いていた金融インフラの構想が、伝統的な金融業界のステーブルコイン戦略と重なり始めていることを示している。同氏は、銀行は当時このモデルに関心を示さなかったものの、市場の流れは最終的に同じ方向へ向かっていると指摘した。
その結果、2012年時点のXRPLの設計思想も改めて注目を集めている。焦点は単なるステーブルコインの発行ではなく、複数の機関がそれぞれ発行したデジタル資産を、単一ネットワーク上で交換できる仕組みにある。ハミルトン氏は、当時組み込まれたトークン発行機能と内蔵取引機能が、いまになって本来の意義を持ち始めたとみている。