XRP(写真=Reve AI)

XRP LedgerのEthereum互換サイドチェーン「XRPL EVM」が、セキュリティと運用安定性の強化を主眼とした「v11」アップグレードを実施する。Peersystは早ければ今週中にもテストネット向け提案を提示し、その後メインネットへ反映する方針だ。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが1日(現地時間)に伝えた。これによると、ブロックチェーン開発を手掛けるPeersystは、今回の更新の柱として、経済的セキュリティの強化、安全なクロスチェーン接続の実現、検証者管理の改善、システム全体の堅牢化を挙げた。Xでも「XRPL EVM v11が近づいている。ネットワークをより強固にするアップグレードだ」と説明している。

今回のアップグレードは、新機能の追加よりもネットワーク自体の安全性、レジリエンス、運用性の向上を優先する内容となる。これに伴い、検証者管理、クロスチェーン基盤、内部のセキュリティ手順全般に変更が加わる。

市場の関心が集まるのは、検証者の運用構造の見直しだ。XRPL EVMはオープンステーキングではなく、指定された権限主体が検証者セットの変更を管理する方式を採用している。v11では、通常の手順による新規検証者の追加を停止し、指定された権限の外からは検証者セットに参加できなくする。一方、既存の検証者は、権限主体による削除を待たずに自らネットワークを離脱できるようにする。

クロスチェーン接続の強化も進める。Peersystはv11を、アタックサーフェスを縮小し、検証者層とIBC層をより堅牢にする「セキュリティ優先のリリース」と位置付ける。複数チェーンと接続する構造を踏まえると、外部チェーンとの接続基盤の安定性向上に重点を置いた変更といえる。

もっとも、変更の多くはバックエンド側で実施される。このため、開発者や一般ユーザーが直接体感できる変化は限定的となる可能性がある。

今回のアップグレードは、XRPL EVMの拡張路線とも重なる。XRPL EVMサイドチェーンは2025年6月にメインネットの稼働を開始して以降、継続的に改善を進めてきた。今回のリリースでは、AI支援によるセキュリティ監査の成果も反映する。Peersystはv11について、この監査体制の成果を全面的に織り込んだ初のリリースだとしている。

今後の焦点は、テストネット提案後の検証作業と、メインネット反映までのスピードとなる。今回の変更はユーザーインターフェースではなくネットワーク内部の構造改善が中心であるため、短期的には目立った機能追加よりも、安定性指標や運用方式の変化が評価の軸となりそうだ。

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