NVIDIA(写真:Shutterstock)

NVIDIAが、他のビッグテック企業とは異なり、無料の社食を導入せず、会社補助付きの有料方式を採っているとして再び注目を集めている。Business Insiderが6月30日(現地時間)に報じた。

報道によると、NVIDIAは食事代の一部を会社が負担する一方で、従業員にも一定の自己負担を求める仕組みを維持している。

きっかけは、ソフトウェアエンジニアで産業アナリストのゲルゲリ・オロスがX(旧Twitter)に投稿した内容だった。投稿では、軽食やコーヒーがすべて無料ではない点が取り上げられ、その後、元社員の証言が相次いだ。

元社員2人は、社食は無料ではないものの、食事補助が適用されていたと説明した。コーヒーなど無料の飲料もある一方、瓶入り飲料の一部や社内カフェで購入する飲み物は有料だったという。

こうした運用は、かつてシリコンバレーで競うように拡充された福利厚生とは一線を画す。競合各社が無料の食事やジム、大規模キャンパスを通じて従業員のオフィス滞在時間を延ばそうとしていたのに対し、NVIDIAは派手な福利厚生より業務を重視する文化を維持してきたとされる。

ある元社員は、ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)について、仕事と遊びは分けるべきだという考え方を持っているように見えたと語った。社内には卓球台やジム、マッサージといった福利厚生施設はなかったとも証言している。

別の元社員も、フアン氏は従業員が大きな仕事に取り組めることを望み、そのためには健全なバランスが必要だと考えていたと述べた。何でも無料で提供する他社が従業員をできるだけ長くオフィスにとどめようとしていたのに対し、NVIDIAの考え方は対照的だったという。

こうした簡素な姿勢は、食事制度にとどまらないとの証言もある。別の元社員は、その質素さがNVIDIAのDNAとして深く根付いていると話した。伝統的にハードウェア企業はソフトウェア企業に比べて利益率が低く、そうした業界特性も背景にあると付け加えた。

この文化は経営陣の働き方にも表れていたという。副社長クラスでもエコノミークラスを利用し、専任秘書を置かない慣行があったとされる。こうした姿勢は、社内の「ワンチーム」の平等文化とも結び付いていた。

元社員によると、当時の従業員はこうした方針を大きな問題とは受け止めていなかった。社内では非常に興味深いことが次々に起きており、食事や福利厚生は主要な関心事ではなかったという。食事を手早く済ませて席に戻れれば十分だったとも振り返っている。

ビッグテック全体でも、福利厚生の見直しは広がっている。AmazonとAppleは無料の食事を提供していない。一方、Googleはシェフが用意する食事やスナックスペースを維持し、Metaは社内の雰囲気を巡る課題を背景に、給湯スペースの改善を進めていると伝えられた。

こうした流れの中で、NVIDIAの方式は以前ほど例外的なものではなくなりつつある。AI投資の拡大とコスト抑制が同時に進む中、福利厚生を抑えて運営効率を重視する動きがビッグテック全体に広がっているためだ。

NVIDIAは、そうした潮流に先立って、華美な福利厚生ではなく、簡素な運営と仕事重視の企業文化を選んできた企業として、改めて関心を集めている。

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