AI特化モデルのイメージ(画像:ChatGPT)

韓国政府が、分野別のAI競争力強化に向けて分野別AI基盤モデル事業を拡充する。科学技術情報通信部は早ければ7月上旬にも新規課題の公募に踏み切る方針で、防衛分野が優先候補として挙がっている。

関係省庁によると、同部は防衛分野を軸に特化型基盤モデルの対象拡大を検討している。防衛以外の分野への拡大も視野に入れるが、具体的な対象と実施時期は、予算や政策上の優先順位を踏まえて決める。

特化型基盤モデルは、医療、バイオ、製造、金融、防衛など特定分野の専門データを学習し、それぞれの産業向けに最適化したAIモデルを指す。汎用AIの開発を目指す韓国独自のAI基盤モデルとは異なり、産業現場での実用化を主眼に置く。

政府は2025年、特化型基盤モデル事業の第1弾として医療・バイオ分野を重点支援した。18のコンソーシアムが応募し、医療AI企業Lunitと韓国科学技術院(KAIST)を含むコンソーシアムが最終選定された。

選定されたコンソーシアムは2025年11月1日に開発に着手しており、2026年9月9日に最終評価を迎える予定だ。

科学技術情報通信部の関係者は、既存のバイオ・医科学分野の特化型基盤モデル事業について、9月の最終評価を前にモデルの高度化を進めていると説明した。その上で、追加支援を検討する有力分野として防衛分野を挙げつつ、幅広い産業でAI導入ニーズが高まっていることから、優先順位と財政状況を見極めながら進める考えを示した。

こうした特化型基盤モデル育成の方針は、策定された第6次科学技術基本計画(2026~2030年)にも盛り込まれた。政府は同計画の12大中核課題の一つにAI技術と人材育成を掲げ、韓国独自のAI基盤モデル開発と関連分野への展開を主要目標に据えている。

計画では、2027年に韓国独自のAI基盤モデルを選定し、2030年まで分野別の特化型基盤モデルの高度化を進める方針を明記した。

業界では、分野の特性に応じた継続支援を求める声が出ている。医療向け特化型基盤モデルを開発する企業の関係者は、韓国では健康保険データが集中的に蓄積されており、入院から退院までの全期間にわたる医療データを学習に活用できるため、医療AIで国際競争力を持ち得る条件が整っていると指摘した。

その上で、事業終了後も病院での実証や公的医療データへのアクセスを継続的に支援する仕組みが必要だと訴えた。

一方、防衛向け特化型基盤モデルを開発する企業の関係者は、衛星画像を活用した地理空間基盤モデルについて、米国、中国と並び韓国が世界トップクラスで競争できる数少ない分野だと主張した。分断国家という特性を踏まえ、蓄積された地形・画像データを国家レベルで大幅に開放するとともに、GPU支援も案件ごとではなく常設の仕組みに改めるべきだと述べた。

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