イ・ジェミョン大統領が29日、青瓦台で開かれた「大韓民国大跳躍 3大メガプロジェクト国民報告会」で発言した。写真=青瓦台写真記者団、聯合ニュース

韓国政府は6月29日、半導体、フィジカルAI、AIデータセンターを次世代の成長エンジンと位置付ける「3大メガプロジェクト」を始動した。Samsung ElectronicsやSKなど民間の大型投資を呼び水に、メモリー増産、AIロボット開発、AIデータセンター整備を一体で進める。

イ・ジェミョン大統領は同日、青瓦台の迎賓館で「大韓民国大跳躍 3大メガプロジェクト国民報告会」を主宰した。会合には産業通商資源部、科学技術情報通信部などの関係省庁のほか、Samsung Electronics、SK、LG Electronics、GS、KT、FuriosaAI、Robotis、HD Hyundai Roboticsなどが参加した。

政府はこの日、半導体、AIロボットを中心とするフィジカルAI、AIデータセンターの各分野に関する投資計画と育成策を公表した。半導体をAIの中核基盤、フィジカルAIを知能を備えた実体、AIデータセンターをAIインフラの中枢と位置付け、3分野を連動して育成する方針を示した。

イ大統領は「青瓦台内に事業を統括する担当官を置き、3大メガプロジェクトは私が直接点検し、迅速に執行する」と述べた。

◆Samsung ElectronicsとSK hynix、ファブ建設を前倒し

半導体分野では、生産の迅速化、地域拠点の拡大、次世代市場の先取りを柱とする「3S+1F戦略」を推進する。政府はSamsung ElectronicsとSK hynixの生産施設建設を前倒しし、今後5年で国内のメモリーDRAM生産能力を2倍に引き上げる計画だ。報告会には、イ・ジェヨンSamsung Electronics会長とチェ・テウォンSKグループ会長も出席した。

Samsung Electronicsは、平沢の第5・第6生産ラインを順次建設する従来計画を見直し、2ラインを同時建設に切り替える。これにより、生産ライン整備にかかる期間を従来計画比で3〜4年短縮する。龍仁半導体クラスターでも最終ファブの完成時期を前倒しする。Samsung Electronicsが参加する龍仁国家産業団地は従来計画より7年、SK hynixの龍仁一般産業団地は12年、それぞれ事業期間を短縮する計画だ。政府は電力、用水、道路などの基幹インフラを適時供給する。

半導体の生産拠点は首都圏から全国へ広げる。Samsung ElectronicsとSK hynixは西南圏に計800兆ウォンを投じ、それぞれ2基ずつ、計4基のメモリーファブを建設する。

政府は全羅南道・光州統合特別市を、首都圏に次ぐ第2の半導体生産拠点として整備する。許認可、用地確保、電力・用水供給を支援し、生産施設の立ち上げを早める方針だ。忠清圏には計81兆ウォンを投じ、高帯域幅メモリー(HBM)のパッケージング拠点を整備する。Samsung ElectronicsとSK hynixによる温陽、天安での新規HBMファブ建設や、清州でのHBMパッケージング投資が円滑に進むよう後押しする。釜山や亀尾などの東南圏、大邱慶北圏は、電力半導体と中核素材・部品・装置の拠点として育成する。

次世代メモリー、オンデバイス・オンセンサーAI半導体、AIサーバー向け半導体、国防半導体といった将来市場には、今後15年間で30兆ウォン超を投じる。研究開発(R&D)から設計、実証、製造まで一貫支援する体制を整える。政府は半導体特別法に基づき、大統領主宰の半導体競争力強化特別委員会、半導体特別会計、半導体革新支援団など国家レベルの支援体制も稼働させる。

◆AIロボット世界3強へ、セマングムと大邱慶北に量産拠点

フィジカルAI分野では、製造業とロボット産業の強みを組み合わせた「3M戦略」を打ち出した。製造業のAI転換加速化(M.AX)、中核技術の競争力確保(Master)、地域を軸とした量産体制の構築(Mass Production)を通じ、AIロボットで世界3強入りを目指す。

政府は業種別の製造ノウハウをAIロボットに適用し、2028年の商用化を目標に、10大産業向けのヒューマノイドを開発する。AIファクトリー事業とも連携し、毎年1000カ所の製造現場にAIロボットを導入して輸出産業に育てる計画だ。ロボット学習データを確保するため、10大業種別のデータファクトリーを整備し、韓国型のロボット基盤モデルを開発する。

また、国産化率が低いアクチュエーター、ロボットハンド、センサーの3大脆弱部品を対象とした専用R&Dも進める。半導体やバッテリーなど韓国が強みを持つ分野では、ロボット向けに特化した部品を開発する。今後5年でロボット専門人材1万人の育成も進める。

量産基盤はセマングムと大邱慶北圏を軸に整える。セマングムでは、生産能力が不足するロボットスタートアップを支援するロボットファウンドリと部品クラスターを整備する。大邱慶北圏では、自動車、造船、電子産業と連携したロボットのテストフィールドを構築する。自動車部品メーカーがロボット部品メーカーへ転換できるよう、技術開発と実証も支援する。

政府は教育、国防、災害対応など公共分野でロボットを先行購入し、初期需要を創出する。国民成長ファンドなども活用し、企業の生産施設の新設・増設投資を支援する。フィジカルAIを代替困難な国家戦略産業として育成する方針も掲げた。2030年までにフィジカルAI分野で世界首位に躍進することを目標とする。

ペ・ギョンフン副首相兼科学技術情報通信部長官は「フィジカルAIで世界首位を目指すには、今後3年がゴールデンタイムだ。国家戦略産業として育成する」と述べた。

このため政府は、物理法則を反映した大規模な合成データを生成するワールドモデルとデジタルツインのインフラを整備する。産学研の連携を通じ、今後3年以内に独自のフィジカルAI基盤モデルも開発する。製造、介護、農業、安全、国防など主要分野で国産フィジカルAI技術を実証し、データ、モデル、ハードウェア、ネットワーク、セキュリティを含むフィジカルAIのフルスタック輸出も推進する。

◆SK・GS・Naver、AIデータセンターに550兆ウォン投資

AIデータセンター分野では、SK、GS、Naverが投資誘致分を含め、約550兆ウォンを投じる計画だ。

SKはまず、蔚山に1GW規模のAIデータセンターを建設する。これに続き、中部圏、大邱慶北圏、湖南圏、江原圏などで追加立地を検討する。第1段階として5GW規模を整備し、2035年までに15GWへ拡大する第2段階計画も進める。GSは江原・東海に2.4GW、Naverは世宗などを中心に1GW規模のAIデータセンターを整備する。

政府は立地選定と許認可手続きを前倒しし、2028年上期までの着工、2029年からの段階稼働を目指す。整備する大規模AIデータセンターは、国産AI半導体、サーバー、ネットワーク、ストレージ、電力・冷却ソリューションの実証拠点としても活用する。

ペ副首相は「まず2029年までに、8.4GWに相当する550兆ウォン規模のAIデータセンター投資が予定されている。その後、2035年までに10GWを追加し、合計18.4GW、1000兆ウォン超の投資を進める」と説明した。

さらに「AIデータセンターはAIを動かす心臓だ。あらゆるソリューションにAIを適用し、AIデータセンター向け装備の高度化・大型化を進めなければならない」と述べた。

政府は、国産ニューラルネットワーク処理装置(NPU)と電力・冷却ソリューションを実際のデータセンターで検証し、国内外の需要先開拓と輸出につなげる。サーバー、ネットワーク、ストレージ技術を開発・高度化し、国内AIデータセンターで実証した上で、世界のビッグテックと協業するためのリファレンスを確保する。GPUクラスタリング、AI開発ツール、AI運用自動化技術などクラウド・ソフトウェア分野の競争力強化も図る。超大型テストベッドを含む「AIデータセンタークラスター」を整備し、需要企業と供給企業が参加するアライアンスも組成する。

◆製造AIに官民20兆ウォン投資、付加価値100兆ウォン目標

政府は今回の報告会に合わせ、「大韓民国製造業大転換の道:製造AI 2030戦略」も公表した。2030年までに官民で20兆ウォンを投じ、製造業で100兆ウォン超の経済的付加価値を創出することを目標に掲げる。

まず、省庁と企業が保有する製造データを連携する「国家製造データライブラリー」を構築する。標準化、暗号化、匿名加工の仕組みを導入し、企業の基幹データの外部流出を防ぐ。産業通商資源部のAIファクトリー製造データ、科学技術情報通信部のAIハブ、中小ベンチャー企業部のAI中小ベンチャー製造プラットフォーム(KAMP)など、省庁ごとに分散するデータ管理体制も、このライブラリーを通じて連携させる。

退職を控えた熟練労働者の作業手法や工程ノウハウといった「製造の暗黙知」もデータ化する。関連事業には、今年の補正予算からまず480億ウォンを投じ、来年から本予算事業へ拡大する。蓄積した製造データを基に、特定工程向けの軽量AIモデルから、複数業種・工程で活用できる中・大型の製造AIモデルまで段階的に開発する。

工場全体に適用できる「製造AI基盤モデル」の開発も進める。AIファクトリー先導事業は2025年の累計102件から、2030年には500件超へ拡大する。開発したAIモデルは、自然言語で製造設備を点検・制御できるAIエージェントとして普及を図る。

◆AIエージェントとヒューマノイドを統合、自律工場へ

製造AIの高度化段階では、大型AIエージェント、ヒューマノイド、製造フィジカルAIを統合した「フルスタックAIファクトリー」技術を開発する。AIが製品・工場の設計から、検証、試作生産、生産、流通・物流まで製造活動全体を制御・最適化する自律工場の実現を構想する。

物理法則ベースのAIモデル、ワールドモデル、設備・ロボット連携技術、低遅延・高信頼通信網、全工程をカバーする融合セキュリティ技術も併せて開発する。地域産業団地には、実証テストベッド、エッジコンピューティングセンター、通信網などの共用インフラを備えた「M.AXクラスター」を整備する。大企業の工場で検証したAI技術と製造AX手法を、協力会社や中小製造業へ横展開する。事故リスクの高い危険工程にはAIとロボットを優先導入し、労働環境の改善につなげる。

政府は製造AIへの民間投資を拡大するため、ファンドや保証を活用し、150兆ウォン規模の国民成長ファンドとも連携する。製造AI専門企業を育成する「製造AX認証」制度も導入する。修士・博士級の製造AI専門人材の育成と、製造現場でAIを活用する在職者教育の拡充も進める。あわせて、産業デジタル転換およびAI活用促進法、中小企業スマート製造革新法の改正も推進する。

政府は3大メガプロジェクト推進に必要な電力と用水も適時供給する方針だ。龍仁半導体産業団地では既存の送電線路を最大限活用し、必要に応じて地中化して電力網を整備する。西南圏半導体産業団地には再生可能エネルギーと原発を活用して電力を供給し、多目的ダムや発電用水など代替水資源も使う。AIデータセンターには立地条件に応じて、再生可能エネルギー、原発、一部化石燃料を組み合わせて電力を供給する。非首都圏のAIデータセンターについては、電力系統影響評価を迅速に進め、専用の電気料金制度も導入する計画だ。

ペ副首相は「製造AIは単に工場へAIを適用する段階にとどまらない。AIが製造現場の物理現象と工程の流れを理解し、設備とロボットを自律的に判断・制御する段階へ発展しなければならない」と述べた。

キム・ジョングァン産業通商資源部長官は「M.AXは韓国製造業の将来競争力と生存を左右する中核課題だ。対策を単なる報告書に終わらせず、実社会で実質的な価値創出につなげるため、各省庁が責任を持って課題を履行することが重要だ」と語った。

ノ・ヨンソク中小ベンチャー企業部次官は「中小企業のAI転換は、韓国製造業全体のAI大転換に向けた必須条件だ。スマート工場支援政策をさらに高度化し、中小製造現場全体のAI転換を後押しする」と述べた。

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