米SEC(写真=Shutterstock)

米証券取引委員会(SEC)は6月30日、暗号資産や予測市場連動商品を含む新興ETF(上場投資信託)の規制枠組みを見直すため、パブリックコメントの募集を開始した。急速に拡大する新興ETFを既存ルールの下でどう扱うか、制度面の整理を進める。

対象には、暗号資産連動ETFのほか、単一銘柄戦略型ETF、高レバレッジETF、予測市場に連動するイベント契約型ETFが含まれる。

SECは主な論点として、これらの商品が米投資会社法上の「投資会社」に当たるかどうかに加え、現行のETF登録規則で定める自動効力発生までの期間(75日・60日)を延長する必要があるかを挙げた。意見提出の期限は、連邦官報への掲載から60日後まで。

今回の措置は、近年急増している新興ETFについて、既存の規制の枠内での扱いを整理する狙いがあるとみられる。とりわけ予測市場ETFは、足元で上場日程の延期が相次いでいる分野だ。

SECはこれまで、複数の予測市場連動ETFの申請に対して追加情報の提出を求め、効力発生を遅らせてきた。3社が申請した24本超の商品が対象とされ、争点は商品設計と開示内容にあるという。

政治・経済イベントの結果に連動する予測市場ETFを巡っては、市場監視や管轄権の問題も浮上している。インサイダー取引への警戒に加え、米商品先物取引委員会(CFTC)と州政府の間で管轄権を巡る対立があることも背景にある。

ポール・アトキンスSEC委員長は、ETF市場が成長とイノベーションを続けながら投資家に効果的にサービスを提供できるよう、市場参加者から幅広く意見を募る考えを示した。これに先立ち、同委員長は「予測市場ETFを透明かつ慎重に審査する」と表明していた。

今回の動きは、新興ETFを一律に抑制するというより、制度の枠内で審査基準を見直す狙いとみられる。暗号資産ETF市場にも影響が及ぶ可能性がある。

アトキンス委員長が2025年4月に就任して以降、Solana、Dogecoin、HYPEなどアルトコインに連動する現物ETFを含め、数十種類の新興ETFが承認された。商品領域の拡大が急速に進むなか、既存の登録手続きや開示基準で十分かを点検する必要性が高まっているという。

SECの集計によると、米ETFの純資産は2019年末の4兆ドル超から、2025年末には12兆ドル超へ拡大した。同期間にETFの銘柄数も約1900本から4600本超に増えた。

今後の焦点は、今回の意見公募が実際の審査手続きの変更につながるかどうかだ。自動効力発生までの期間が延長されれば、新規の暗号資産ETFや予測市場ETFの上場ペースが鈍る可能性がある。

一方、制度基準が明確になれば、商品設計や開示範囲を巡る不確実性は低下しうる。SECが投資会社該当性、開示水準、審査期間をどう組み合わせて調整するかが、新興ETF市場の次の焦点となりそうだ。

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