Standard CharteredとBitwiseが示したXRPの2030年に向けた長期価格見通しが、テクニカル分析の目標水準と近い価格帯に集まりつつある。一方で、足元のXRP相場は弱含んでいる。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが6月30日(現地時間)に報じたところによると、XRPアナリストのチャートナードは、Standard CharteredとBitwiseの長期予測がフィボナッチ拡張の目標ラインとおおむね重なると指摘した。
ただ、現状の相場はこうした強気見通しとは温度差がある。XRPは1.04ドル(約156円)で推移している。直近1週間で6%安、1カ月で21%安、年初来で43%安となっている。長期では強気シナリオが維持される一方、短期的には2026年の弱気相場や暗号資産市場全体の低迷が重荷となっている。
Standard Charteredは年初、短期見通しを引き下げる一方で、長期目標は引き上げた。デジタル資産リサーチ責任者のジェフリー・ケンドリック氏は、2026年のXRP目標を従来の8ドル(約1200円)から2.80ドル(約420円)に下方修正した。2026年の弱気相場でXRPが大幅に下落したことを織り込んだ見直しとしている。
その一方で、長期見通しは強気を維持した。Standard Charteredは、XRPが2027年に7ドル(約1050円)、2028年に12.60ドル(約1890円)、2029年に19.60ドル(約2940円)、2030年に28ドル(約4200円)に達する可能性があるとみている。28ドルに達した場合、時価総額は約1兆7000億ドル(約255兆円)規模になるという。
もっとも、この見通しは、機関投資家による採用拡大やXRP現物ETFへの資金流入、規制環境の明確化を前提としている。
Bitwiseは単一の目標価格ではなく、2030年までの複数シナリオを示した。資本資産評価モデル(CAPM)に基づく評価フレームワークを用い、採用の進展速度や規制環境、暗号資産市場の成長率に応じて3つのケースを提示している。
弱気シナリオでは、決済やトークン化分野でのXRP採用が限定的な場合、2030年の価格は0.13ドル(約20円)まで下落し得るとした。強気シナリオでは、安定成長と限定的な規制上の障害を前提に12.68ドル(約1900円)を想定。最も楽観的なケースでは29.32ドル(約4400円)を見込んだ。
この水準を実現するには、XRPがグローバル決済と実物資産(RWA)のトークン化市場で一定のシェアを確保する必要があり、時価総額は2兆ドル(約300兆円)近くに達するとしている。
チャートナードは、こうした機関予測を長期のフィボナッチ拡張ラインと比較した。Standard CharteredとBitwiseが示した8ドル前後、12ドル前後、28ドル、29ドル台といった価格帯は、2030年のフィボナッチ目標ラインと近い水準にあると説明した。
ただし、今回の比較はあくまで「価格予測」ではなく「思考実験」と位置付けており、これらの見通しには依然として投機的な側面があると強調した。
長期見通しが同じ価格帯を示しているとしても、その前提条件は明確だ。Standard CharteredとBitwiseのシナリオは、規制環境の改善、機関投資家の採用拡大、ETF需要、マクロ環境、暗号資産市場全体の回復に左右される。現時点のXRP価格は長期目標水準と大きく乖離しており、短期的には弱気圧力の強い局面が続いている。