Strategy(写真=Shutterstock)

TD Cowenは、ビットコイン相場の軟調を受けてStrategyの投資判断を見直し、目標株価を従来の400ドルから260ドルへ35%引き下げた。あわせて、年末時点のビットコイン価格見通しも14万ドルから10万ドルに下方修正した。Decryptが6月30日(現地時間)に報じた。

TD Cowenのランス・ビタンザ氏率いるアナリストチームは、見直しの背景としてビットコインの弱含みが長引いている点を挙げた。想定していた反発が見られず、Strategyの評価水準についても引き下げが必要になったと説明している。

ビットコインは30日に6万ドルを割り込み、一時5万8400ドル水準まで下落した。直近1カ月では20%超下げており、昨年10月に付けた12万6000ドル超の高値と比べると下落率は53%を超える。

ビットコイン安を受けてStrategy株も下落した。同社株はこの日、前日比8.6%安の84.75ドルで取引を終えた。約1カ月前、同社が2022年以降で初めてビットコインを売却して以降、株価は142.69ドルから約41%下落している。

一方でTD Cowenは、Strategyが今週公表した新たな資本政策の枠組みについては前向きに評価した。Strategyの「Digital Credit Capital Framework」は、現金残高、優先株、84万7363BTCの保有ビットコインをどう運用するかを示す戦略だ。アナリストは、財務運営の透明性や資本配分の柔軟性を高める可能性があるとみている。

なかでも、現金同等物を約25億5000万ドルまで積み増した点を評価した。TD Cowenは、長期的なビットコイン下落局面でも十分な流動性を維持できるとの市場の信認を高める可能性があると分析している。

もっとも、優先株「Stretch(STRC)」に伴う資金コストは上昇している。Strategyは29日、STRCの配当率を8回目の引き上げで12%に設定した。これにより、継続的な配当負担も重くなった。STRCは30日に83.11ドルと前日比0.7%安となり、先週には過去最低の71.25ドルまで下落している。足元でも額面の100ドルを下回る水準にある。

TD Cowenはこのほか、配当政策と現金保有戦略、今後のビットコイン売却計画の関係をこれまでより明確に示した点も好感した。

また、普通株と優先株それぞれで最大10億ドルの自社株買い枠を確保したことについても、資本配分の柔軟性を高める施策だと位置付けた。

ビットコインを流動性確保の手段として明確に位置付けた点も、今回の戦略の柱とされる。Strategyは必要に応じ、最大12億5000万ドル相当のビットコインを売却して現金を確保できるプログラムを導入した。TD Cowenは、ビットコインを単なる長期保有資産ではなく、柔軟な資金調達手段として制度化したものだと評価している。

ただ、市場はビットコイン売却の可能性に依然として敏感だ。Strategyが今月初めに32BTCを約250万ドルで売却した際には、優先株投資家を保護するための措置だと説明したものの、追加売却への懸念は残った。

年末までにStrategyが100万BTC超を保有するとの市場期待も後退している。予測市場Myriadでは、その可能性は14%とみられており、1週間前の17.5%から低下した。

ビットコイン相場の弱さと株価下落が続くなか、市場ではStrategyが新たな資本政策を通じて投資家の信頼を取り戻し、中長期の財務安定性を示せるかに注目が集まっている。

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