科学技術情報通信部は6月30日、携帯電話の不正利用を防ぐ総合対策を発表した。7月6日から、移動体通信事業者とMVNOでの新規契約やMNPを対象に、顔認証を含む本人確認の厳格化を段階的に導入する。11月には、名義盗用を防ぐ「加入制限サービス」も標準提供に切り替える。
今回の対策は、名義盗用や名義貸し、法人名義の悪用による不正開通を契約段階で防ぐことが柱だ。不正開通が摘発された通信事業者や販売店への制裁も強化する。
新規契約・MNPで顔認証を段階導入
7月6日から、移動体通信大手3社とMVNOの対面・非対面チャネルで、顔認証の適用を順次始める。対象は新規契約とMNPで、同一事業者内で端末だけを切り替える機種変更は、当面の優先適用対象から外す。
導入初期の段階では、利用者が顔認証を選んだ場合、1〜3回の認証を試行する。認証に失敗しても、モバイル身分証や住民登録抄本など別の手段で本人確認ができ、手続きの記録が残る場合は契約を認める。
スマートフォン利用者は、行政安全部が提供するモバイル身分証アプリを代替手段として使える。スマートフォンを持たない利用者や、端末を紛失した利用者は、当日発行の住民登録抄本を提出する。個人情報保護委員会と国家人権委員会の改善勧告を反映した措置としている。
8月には、金融業界の非対面での実名確認手法を参考に、追加の代替認証手段を検討する。9月には、住民登録抄本の真正性確認をシステム連携で自動化する計画だ。10月には電気通信事業法施行令を改正し、顔認証の法的根拠と、不正開通に関与した通信事業者への制裁基準を明確にする。
11月から加入制限サービスを標準提供
11月からは、これまで利用者が別途申請していた名義盗用防止の「加入制限サービス」を、携帯電話契約時に標準で提供する。設定後は、利用者が解除するまで本人名義での追加契約を制限する仕組みだ。
外国人名義の携帯電話に対する管理も強化する。外国人登録証とパスポート写真の真正性を確認できるよう関連システムを改修し、外国人による携帯電話の開通は原則1人1回線に制限する。追加回線が必要な場合は、別途疎明手続きを求める。
同部は、貸し付けや高額アルバイトの見返りとして携帯電話を契約して譲り渡す、いわゆる「耐久財ローン」にも対応する。10月から通信事業者は、契約者に対して名義貸しの違法性と処罰の可能性を案内しなければならない。短期間に高額端末を複数回線で分割購入する高リスク利用者については、開通を制限する。
法人名義の携帯電話については、事業者登録証や法人登記情報を照合し、休廃業法人や代表者名義の盗用による不正開通を防ぐ。倒産リスクが高い一部事業者には、法人携帯の実利用者登録を求めるほか、180日間は原則4回線までとする多回線契約の総量規制も適用する。
不正開通に関与した事業者への制裁も進める。科学技術情報通信部は、外国人向けプリペイド携帯などを不正開通したとして、MVNOのYeongjin Telecom、Chingu I&C、Hanpass Internationalの3社に対し、営業停止に向けた手続きを進めている。02番号や070番号を郵便局の番号などと偽って表示したインターネット電話事業者Onse Tel Linkについては、7月中の登録取り消しを進める。下半期もMVNO事業者やSMS中継事業者など、脆弱とみられる分野を対象に合同点検を続ける方針だ。
科学技術情報通信部情報保護ネットワーク政策室長は、「いわゆる『大砲携帯』が各種の生活犯罪の主要な手段となる中、契約段階での本人確認強化は国民の財産と身元を守るための予防策だ」とした上で、「利用者の選択権と利便性を確保しながら、大砲携帯の防止に取り組む」と述べた。