Valveのゲーム向けPC「Steam Machine」が日米で品薄となっている。日本では発売直後に完売し、米国では抽選で付与された購入予約権が高値で転売されている。中国では低価格の類似品も出回り始めており、供給不足を背景に非公式な取引が広がっている。
TechRadarによると、日本ではSteam Machineが店頭販売の開始後、短時間で完売した。現地ディストリビューターのKOMODOは予約販売ではなく店頭で販売したが、用意した在庫はすぐに売り切れたという。SNS上では、購入できなかったとする不満の声も相次いでいる。
米国では、購入予約権そのものを高値で転売する動きも出ている。Valveは先着順ではなく抽選で購入機会を提供したが、当選者の一部がその権利をプレミアム価格で出品しているという。2TBモデルの購入予約権の一部はオークションサイトに3500ドル前後で出品され、実際に2800ドルで取引された例も確認された。
もっとも、こうした取引がすべて成立しているわけではない。購入予約権の売買は、当選者本人が最終的な注文手続きを行う必要がある仕組みのため、信頼性に課題がある。正規流通ではない個人間取引だけに、購入者側のリスクは大きいとの指摘もある。
中国では、Steam Machineに似た外観の低価格製品も登場した。Redditで紹介された製品は、Ryzen 5 5500、DDR5 16GBメモリ、AMD RX 6750 GRE、2TB SSDを搭載するとされる。中国での販売価格は約688ドルで、Valveの2TB版Steam Machineの米国価格1349ドルのほぼ半額に当たる。
一方で、仕様面には疑問も出ている。Ryzen 5 5500はAM4プラットフォーム向けのプロセッサだが、AM4はDDR5メモリをサポートしない。また、RX 6750 GREのような大型GPUが、写真に写る小型ケースへ実際に搭載できるのかについても、Redditユーザーから疑問の声が上がった。発熱や冷却性能、ファン騒音を懸念する指摘もある。
海外からの直輸入には別のリスクもある。輸入時に追加費用が発生する可能性があるほか、不具合が起きても返品やアフターサポートを受けにくい。出所がはっきりしない販売者の製品である以上、OSやソフトウェアが改変されている可能性など、セキュリティ面のリスクも否定できない。
足元のSteam Machine市場では、正規品の品薄と非公式市場の拡大が同時に進んでいる。正規品は初期在庫の不足で品切れが続く一方、価格の安さを前面に出した類似品も素早く流通している。ただ、こうした製品は、広告された仕様と実際の構成が異なる可能性があり、写真とは異なるケースや部品が届くリスクも指摘されている。
TechRadarは、正規品の価格負担が大きい場合は、信頼できる販売元から代替製品を購入するか、自作PCを組む選択肢もあると伝えた。ただ、足元ではメモリ価格の上昇で自作コストも以前より高くなっているうえ、HDMI CEC対応など一部機能はValve製品の強みで、同等の実装は容易ではないとも付け加えた。