XRPのデリバティブ市場で、ロングポジションの清算が急増している。直近3カ月平均比で832%増となったほか、未決済建玉(オープンインタレスト、OI)もこの1カ月で11.1%減少した。先物市場では過剰なレバレッジの解消が進み、短期筋の弱気姿勢が鮮明になっている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは29日(現地時間)、XRP市場では現物投資家の大規模な売りより先に、先物・無期限先物市場でレバレッジの巻き戻しが進んでいると報じた。
足元で焦点となっているのは、価格下落局面でレバレッジをかけて上昇に賭けていたロングポジションが相次いで清算されている点だ。直近の下落局面だけでも、約300万ドル(約4億5000万円)相当のロングポジションが清算された。
一度の局面で約670万ドル(約10億円)のロングポジションが整理されたケースも確認された。市場では、ショートよりもロングの清算圧力が大きかったことが示された。
OIも大きく縮小した。XRPのOIは約11億8000万ドル(約1770億円)から約10億4000万ドル(約1560億円)へ低下し、1カ月で11.1%減少した。
清算の増加と同時にOIが減少したことは、トレーダーが新たなポジションを積み増すよりも、資金を市場から引き揚げていることを示すシグナルと受け止められる。
Binanceの資金調達率(ファンディングレート)も悪化した。CryptoQuantによると、Binanceの資金調達率は四半期ベースライン比で463%悪化し、深いマイナス圏に沈んだ。
資金調達率のマイナス化は、ショートポジション優位が強まっていることを意味する。CryptoQuantは、無期限先物市場で弱気ポジションが優勢に転じたことを示しているとの見方を示した。
価格の推移も低調だ。XRPは直近3カ月で20%超下落し、年初来では53%安となった。ただ、こうした下落が現物保有者の一斉売りにつながっている兆候は限定的だという。
実際、現物市場の指標はデリバティブ市場とは異なる動きを示した。BinanceにおけるXRPの現物準備金は前週比0.35%減にとどまった。
これは、取引所への大量流入を伴う投げ売り局面ではないことを示す。CryptoQuantは、現物準備金が安定していることについて、多くのXRP保有者が足元のボラティリティ局面でも売却を急がなかったことを示唆すると説明した。
デリバティブ市場と現物市場のこうした乖離は、短期的な需給を左右する材料として注目されている。レバレッジを使う短期トレーダーのポジションが先に整理される一方、長期保有者は比較的踏みとどまっているためだ。
市場では、先物と現物が同時に崩れる局面と比べれば、足元のような分化はより緩やかな調整と受け止められている。
今後の焦点は、OIが回復に向かうかどうかだ。CryptoQuantは、深いマイナス圏の資金調達率とロング清算の一巡が重なった後には、大きなボラティリティが続くケースが多いと指摘した。
過剰なレバレッジが一巡して市場が整理されれば、次の方向感を探る地合いが整う可能性があるという。
一方で、Rippleのステーブルコイン「RLUSD」が最近、SBI VC Tradeを通じて日本市場に広がった点は、中長期の支援材料として挙げられた。ただ、短期的な価格動向は引き続きデリバティブ市場の動きに左右される可能性が高い。
XRPの次の方向性は、現物の売り圧力そのものよりも、先物市場でのポジション再構築がどの程度の速さで進むかに左右されそうだ。