ミームコインのShiba Inu(SHIB)が、暗号資産の時価総額ランキングで30位圏外に後退した。価格下落に加え、先物主導の取引構造やエコシステムの停滞、バーンペースの鈍化が重しとなっている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、29日(現地時間)、Shiba Inuは時価総額ベースで一時31位まで低下した。30位にはTether Gold(XAUT)が入った。
CoinMarketCapによれば、Shiba Inuは直近7日で約9%下落し、時価総額は約24億4000万ドルまで縮小した。これに対し、Tether Goldの時価総額は24億8000万ドルで、Shiba Inuを上回った。
年初来でも下落基調は鮮明だ。Shiba Inuは年初から39%下落しており、過去最高値(ATH)の0.00008845ドルと比べると、足元の価格は95%低い水準にある。
Shiba Inuは2021年の強気相場で急騰し、時価総額ランキングで複数回トップ10入りしたことがある。プロジェクト側は一時、トップ5入りへの意欲も示していたが、足元では市場での存在感が後退している。
取引構造にも弱さが表れている。CoinGlassによると、Shiba Inuの現物取引高は1094万ドルにとどまった一方、先物取引高は5141万ドルに達し、現物を大きく上回った。実需に基づく買いよりも、投機的なデリバティブ取引への依存が強い構図だ。
建玉は3073万ドルだった。ファンディングレートは0.0063%と小幅なプラスを維持したものの、資金流入は広がらず、価格の下支えにはつながらなかった。
直近24時間の清算額は4万6390ドルで、このうちロング清算が4万3090ドルと大半を占めた。ショート清算は3300ドルにとどまり、下落局面では強気ポジションの損失が大きかったことがうかがえる。
エコシステム全体の停滞も続いている。コミュニティでは、Shiba Inuのエコシステムに対する運営側の関与が薄れているとの見方も出ている。
とりわけ、開発者のシトシ・クサマ氏が長期間にわたり沈黙していることや、別のAI関連施策への注力が優先順位の変化を示しているとの指摘がある。
採用拡大を目的に打ち出された一部プロジェクトについても、進捗が見えにくく、事実上停止状態との見方がある。Shib: The Metaverse、Shib Marketplace、レイヤー3ブロックチェーンのShib Alpha Layerがその例として挙がっている。
Shibariumもオンチェーン活動の鈍化が続いている。1日当たりの取引件数は足元で787件にとどまり、ネットワーク内の分散型取引所(DEX)取引高は6月23日以降ゼロが続いている。総預かり資産(TVL)は17万699ドルまで減少した。
需給面の重さもなお残る。Shiba Inuは流通量を減らすためバーンの仕組みを導入しているが、足元ではそのペースが大きく鈍化している。直近24時間にコミュニティがバーンした数量は約241万SHIBで、金額換算では約10ドルにとどまった。
直近7日間のバーン量は1913万SHIB、月間では1億840万枚だった。ただ、流通量約589兆枚と比べると規模はなお限定的だ。
弱さはShiba Inu単体にとどまらない。CoinMarketCapによると、BONE ShibaSwapは過去最高値から99.9%下落し、Doge Killerも高値からほぼ100%近く下げている。
Shiba Inuに反発余地を見込む声は残るものの、当面は現物需要の回復とエコシステム活動の立て直しが先行して確認されるかが焦点となる。