暗号資産運用会社の21Sharesは、ビットコインの4年価格サイクルがなお機能しているとの見方を示し、年末の10万ドル回復を基本線とする新たな市場シナリオを公表した。前年10月の過去最高値更新後に進んだ調整局面が、過去の半減期サイクルと似た値動きだと判断したためだ。
CoinPostによると、21Sharesは25日(現地時間)公表の2026年上期中間報告で市場見通しを修正した。これまで同社は、機関投資家マネーの流入拡大を背景に、半減期主導の伝統的な4年サイクルが今回で終わる可能性があるとみていたが、足元の相場展開を踏まえて見方を改めた。
同社は、ビットコインが前年10月に12万6000ドルで史上最高値を付けた後の急落について、過去の半減期後に見られた「ピーク形成後12〜18カ月以内の大幅調整」に近い動きだと分析した。その上で、4年サイクルは依然有効だとしつつ、年末の想定は最高値更新ではなく10万ドル回復を軸に据えた。
一方で、今回の調整は過去の弱気相場とは性格が異なるとも指摘した。下落率は足元で約50%にとどまり、過去サイクルで繰り返された80%超の急落に比べれば限定的だという。価格が投資家の平均取得単価とされる約5万4000ドルを継続的に上回っていることや、大規模な投げ売りが起きていないことを、市場の成熟を示す材料と位置付けた。ビットコイン保有ウォレット数の着実な増加も支援材料に挙げた。
機関マネーの流入見通しについては、比較的強気の姿勢を維持した。もっとも、世界の暗号資産ETPの運用資産は当初想定ほどのペースでは増えていないとみている。年初時点では2026年末に4000億ドルを超えると予想していたが、現時点では達成のハードルは高いと修正した。実際、世界の暗号資産ETPの運用資産は5月時点で約1400億ドルと、年初比で約15%減少した。
それでも、機関投資家が市場から離脱しているとみるのは難しいとした。米国のビットコイン現物ETFでは年初以降、約30億ドルの純流出が発生したものの、総保有量は約125万BTCと、なお過去最高圏にあると説明した。加えて、Hyperliquidの現物ETFが上場から1カ月足らずで1億5000万ドル超を集めたことも、伝統金融の資金がデジタル資産市場に流入し続けている根拠として示した。
ステーブルコイン市場の見通しも引き下げた。年初には年末の流通規模が1兆ドルに達すると予想していたが、現在は4000億〜6000億ドルを現実的なレンジとみている。米国のGenius法や欧州連合(EU)のMiCA施行により制度基盤は整ったものの、米国のClarity法を巡る議論の遅れなどが成長ペースを鈍らせていると判断した。ただ、弱気相場でもステーブルコインの供給量が過去最高を更新し続けている点は前向きに評価した。
これに対し、予測市場は想定を上回る伸びを見せている。5月末時点の取引量は575億ドルと、年間目標の半分をすでに超えた。足元のトレンドが続けば、第4四半期の初めにも1000億ドルに達する可能性があるとみている。下期は国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップや11月の米国中間選挙を控えており、取引拡大がさらに進む可能性があるとした。
このほか21Sharesは、暗号資産トレジャリー企業の成長鈍化に伴う業界再編や、分散型金融(DeFi)の伸びの鈍化、Ethereumレイヤー2ネットワークの集約、実物連動資産(RWA)トークン化市場の拡大などを、下期の主要テーマに挙げた。