ビットコイン相場の底打ち時期について見解を示した。写真=Reve AI

中国の著名ビットコイン採掘業者ジャン・ジュオアル氏は、現在のビットコイン相場について、2026年10〜12月ごろに底を付け、価格は4万2000〜4万4000ドル(約630万〜660万円)になるとの見通しを示した。StrategyのmNAV低下と独自の数理モデルを根拠に挙げている。

Coinpostが26日付で伝えた。ジャン・ジュオアル氏は自身のSNSを通じてこの見方を公表した。

同氏が重視するのは、Strategyの評価指標であるmNAVだ。mNAVは株価を1株当たりのビットコイン保有価値で割った倍率で、市場が保有資産価値に対してどの程度プレミアム、あるいはディスカウントで評価しているかを示す。現在のmNAVは0.72まで低下しており、前回サイクルで安値を付けた2022年5月11日の0.7に近づいているという。

もっとも、同氏はmNAVの底とビットコイン価格の底が一致するとは限らないとみている。前回サイクルでは、mNAVが2022年5月11日に0.7まで低下した時点で、ビットコイン価格は3万1017ドルだった。その後、現物価格の最終安値は約6カ月後の2022年11月21日に付けた1万5476ドルだったと説明している。Strategy関連の指標が先行して底を打ち、その後にビットコイン現物がさらに下落する流れがあったとの見立てだ。

ジャン・ジュオアル氏はあわせて、ビットコインの値動きを地面に跳ね返るボールになぞらえた数理モデルも示した。時価総額の拡大に伴ってボラティリティが段階的に低下する構造を織り込んだもので、モデル上の下値は2026年10月31日時点で4万4016ドルになるという。同氏は、このモデルは価格水準そのものより時間軸の予測精度が高いとし、mNAVがビットコイン価格に対しておよそ6カ月先行して底を打つ傾向も踏まえ、底打ち時期を2026年10〜12月とした。

一方、市場では底打ち確認にはまだ早いとの見方も出ている。暗号資産マーケットメイカーのWintermuteは、直近の反発について、マクロ環境の改善を受けた「安堵ラリー」に近く、本格的なトレンド転換とみなすのは難しいとの判断を示した。イラン紛争終結に向けた動きや、5月の消費者物価指数(CPI)が市場予想の範囲内に収まったことが反発要因になったと指摘している。

資金フロー面でも、楽観を裏付ける材料は限られるという。Wintermuteは、暗号資産市場への主な資金流入ルートとして、ステーブルコイン、現物ETF、暗号資産を主要資産として保有する関連上場企業(DAT)を挙げた。ただ、現物ETFは過去最長の資金流出を記録し、関連上場企業の運用資産もピーク時の約2200億ドル(約33兆円)から約1400億ドル(約21兆円)に減少したとしている。3つのルートのいずれでも、明確な資金流入への転換はまだ確認できないとの見方だ。

さらにWintermuteは、夏場の取引減少を前提に調整局面が続く可能性があると警告した。市場流動性が薄い環境では、ビットコインが5万ドル台まで下落する可能性も排除できないとしている。

今回の見方では、StrategyのmNAVが前回サイクルと同水準まで低下しつつある点と、ビットコイン現物の安値形成がそれに遅れて訪れる可能性が焦点となっている。今後はmNAVの動向に加え、現物ETF、ステーブルコイン、関連上場企業への資金流入が回復するかどうかが、相場の底を見極めるうえで重要な材料になりそうだ。

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