XRPは年初来安値圏まで下落し、1ドル割れへの警戒感が強まっている。一方で、取引所残高の減少や大口投資家の買い越し、現物ETFへの資金流入が続いており、需給面では売り圧力の緩和を示すシグナルも出ている。
Cointelegraphによると、XRPは25日(現地時間)、1ドルをわずかに上回る水準で推移し、2026年に入って最も低い価格帯に沈んだ。
価格は不安定な推移が続く一方、取引所を巡る資金フローには変化が見られる。暗号資産アナリストのアムル・タハ氏は、BinanceのXRP準備金が3月以降の最低水準まで低下したと指摘した。
過去1カ月でBinanceからは約1億XRPが流出し、6月25日時点の残高は約26億8000万XRPとなった。5月12日の27億8000万XRPから減少しており、主要取引所の中では最大の純流出となった。
同様の傾向は他の取引所でも確認された。UpbitのXRP残高は5月31日の25億1000万XRPから6月25日に24億8000万XRPへ減少。Bybitも6月2日の9200万XRPから8200万XRPへ減った。流出量ではBinanceが最大だったが、減少率ではBybitの方が大きかった。
Binanceでは取引動向にも変化が出ている。6月17日以降、7日連続でXRPの出金件数が入金件数を上回った。
7日平均ベースの出金比率は6月23日に53.8%まで上昇し、2024年6月以降で最高となった。これに対し、入金比率も7日平均ベースで46.1%まで低下した。
この指標はXRPの数量ではなく取引件数を集計したものだ。ユーザーがBinanceへ送金するよりも、外部ウォレットなどへ引き出す動きが強まっていることを示している。
大口保有者の動きも同じ方向を示した。クジラウォレットのフローを90日移動平均で見ると、今四半期は1日当たり514万3000XRPの純流入が続いた。
大口ウォレットが分散売却よりも買い越しを続けていることを示すシグナルとみられている。
ETF経由の資金流入も下支え要因となっている。XRP現物ETFには6月24日、単日で200万ドルの純流入があり、6月の累計純流入額は3100万ドルに拡大した。
4月以降の累計流入額は2億4300万ドルに達した。
もっとも、テクニカル面では弱い地合いが続く。XRPは25日に1.01ドルまで下落し、2026年の安値を更新した。
2024年11月以来、初めて1ドルを下回る可能性も意識されている。年初来の下落率は43%に達した。
テクニカル分析では、1ドルから0.63ドルのレンジが次の重要な価格帯として示された。このゾーンは2024年末の急騰局面で埋め切れなかったギャップに当たり、下落が続いた場合に買いが入りやすいゾーンとされる。
一方で、長期目線を重視する見方もある。Black Swan Capitalistの創業者ベルサン・アルジャラ氏は、XRPが週足と月足で高値・安値を切り上げ、複数年にわたる大きな蓄積局面を形成してきたと評価した。
同氏は、長期のレンジ相場を上抜けた後は一段高につながるケースが多いとし、長期目標として10ドルを示した。
当面の焦点は1ドル水準を維持できるかどうかだ。ただ、取引所残高の減少、出金超過、クジラの買い越し、ETFへの資金流入が同時に続いており、価格の弱さとは別に、需給面では改善の兆しも表れている。