クラリティ法を巡る対立が続いている。写真=Shutterstock

米上院議員のシンシア・ルミス氏は24日、デジタル資産市場構造法「クラリティ法」が7月に上院本会議で審議入りするとの見通しを示した。法案を巡っては、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が消費者保護や規制面の不備を批判しており、604条と倫理条項を中心に攻防が続いている。

ブロックチェーンメディアのThe Defiantによると、法案の主要提出者が本会議審議の時期を具体的に示したのは今回が初めて。

ルミス氏はFox Businessのインタビューで、法案は7月中に上院本会議で審議されると述べた。ダイモン氏については「法案を誤解している」と指摘し、7月4日の休会中に法案を読み、保護措置の内容を理解してほしいと求めた。

対立の発端は、ダイモン氏が今月初めに示した批判にある。同氏は、法案が米銀行秘密法に基づく義務を十分に扱っていないほか、暗号資産企業が消費者保護の仕組みが不十分なまま、預金に類する商品に利息を付けられる余地があると主張してきた。

これに対しルミス氏は、クラリティ法には既存のマネーロンダリング対策(AML)規定や銀行秘密法上の要件を参照する記述が1600カ所超あると反論した。

ただ、7月の本会議審議入りが示されたとしても、法案成立が保証されたわけではない。上院は7月4日の休会後、7月13日に審議を再開し、8月10日前後から再び休会に入るため、本会議で法案審議に充てられる期間は約4週間にとどまる。

法案は6月1日、上院の日程上で423番目の案件として掲載され、本会議で採決可能な状態にある。一方、共和党上院院内総務のジョン・スーン氏は、具体的な上程日程をまだ明らかにしていない。

採決のハードルも高い。審議終結動議の可決には60票が必要で、民主党から少なくとも7票の賛成を得る必要がある。

民主党は、トランプ一族の暗号資産保有に関連する倫理条項と、604条に盛り込まれた開発者責任の例外規定を問題視している。アンジェラ・オルソブルックス氏とルベン・ガジェゴ氏は委員会では賛成票を投じたが、倫理面で合意が得られない限り、本会議での投票方針は決めないとしている。

これらの文言を巡る水面下協議は9日に決裂し、その後も打開できていない。

最大の争点は604条だ。同条は、非カストディアルの開発者や分散型金融(DeFi)インフラを、銀行秘密法に基づく登録義務や顧客確認義務の対象外とする内容を含んでいる。

これに反発し、米国の検察、警察、保安官の各団体は24日、トッド・ブランチ司法副長官代行に反対書簡を送付した。同日には、カトリック指導者約100人も上院指導部に別の書簡を送り、同条項によって不正資金の監視が一段と難しくなる恐れがあると懸念を示した。

一方、産業界は法案を支持している。1200社超の技術企業を代表するConsumer Technology Associationと、200社超の暗号資産企業が法案成立を求めている。

下院側でも後押しの動きが出ている。下院金融サービス委員会は7月17日、ニューヨークで「クラリティ法が切り開く金融の未来」をテーマに現地公聴会を開く。

下院は2025年7月、H.R.3633を294対134で可決した。今後、上院が修正案を可決した場合には、両院指導部が下院で上院案を直接扱う選択肢を取る可能性もある。

7月は法案の行方を左右する局面となりそうだ。ルミス氏は、2026年に採決機会を逃せば、現実的な成立時期は少なくとも2030年までずれ込む可能性があると述べている。

上院が7月13日からの会期で実際の上程日程を固めるのか、また604条と倫理条項を巡る対立をどこまで縮小できるのかが、今後の焦点となる。

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