米ナスダック上場のNakamotoが、医療事業から事実上撤退する。運営していた医療クリニックは6月19日に営業を終了しており、残る清算手続きも2026年第3四半期までに完了する見通しだ。今後はビットコイン保有の拡大に加え、メディア、資産運用、助言事業に注力する。
Nakamotoは6月24日、医療クリニックの営業終了を明らかにした。残る事務・管理手続きについても、2026年第3四半期中に終える予定としている。
これにより、同社は医療事業から事実上撤退することになる。Nakamotoはここ数年、ビットコインを軸に、メディア・情報サービス、資産運用・金融サービス、コンサルティング・助言事業へと軸足を移してきた。
デイビッド・ベイリー会長兼CEOは、医療事業の整理完了後はビットコイン中心の戦略に経営資源を集中する方針を示した。世界規模のビットコイン関連メディア・イベント事業と、成長中の資産運用事業、助言事業を組み合わせた差別化プラットフォームを構築していると説明し、今後は事業拡大と長期的な株主価値の創出に注力すると述べた。
現在のNakamotoは、2025年の医療企業KindlyMDとの合併を機に発足した。合併時には約5億4000万ドルの私募資金を調達し、ビットコインの購入に充てた。
合併後もKindlyMDの医療クリニック事業は子会社Kindly LLCを通じて維持していたが、今回の営業終了により、同事業の整理を本格化させる。
事業ポートフォリオもビットコイン中心へ再編している。Nakamotoは、ビットコイン専門メディア「Bitcoin Magazine」とグローバルイベント「Bitcoin Conference」を手がけるBTC Inc.のほか、ビットコイン特化型の資産運用会社UTXO Managementを傘下に置く。
一方で、業績面では重荷も残る。Nakamotoは2026年1〜3月期に2億3880万ドルの純損失を計上した。ビットコイン保有資産と投資ポートフォリオの評価損に加え、買収・統合に伴う費用が業績を押し下げたとしている。
ビットコインの保有規模は拡大が続く。Block Dataによると、6月23日時点の保有量は4467BTCで、評価額は約2億7850万ドルだった。
ただ、企業によるビットコイン保有競争では、なお規模に開きがある。マイケル・セイラー氏率いるStrategyは84万7363BTCを保有する最大の企業保有者で、Twenty One Capitalも4万3514BTCを保有している。
それでも業界では、Nakamotoは競合に比べて保有規模こそ小さいものの、医療事業をたたみ、ビットコイン単一戦略へ明確にかじを切った点を評価する見方が出ている。
Nakamotoは今後、残る医療関連手続きを終えた後、ビットコイン保有の積み増しと、メディア、資産運用、助言事業の成長に注力する方針だ。