クラリティ法案を巡る審議の行方に注目が集まっている(写真=Reve AI)

米下院金融サービス委員会は、暗号資産(仮想通貨)の市場構造を定める「クラリティ法案」の公聴会を7月17日にニューヨークで開く。これにより、当初取り沙汰されていた7月4日の独立記念日までの法案成立観測は大きく後退した。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、下院側の日程が改めて設定されたことで、今後は上下両院の条文調整や、上院本会議での採決手続きが焦点となる。

クラリティ法案は、ビットコインなどの暗号資産を米商品先物取引委員会(CFTC)の監督下に置く一方、投資契約に該当する暗号資産は米証券取引委員会(SEC)が所管する枠組みを盛り込む。長年あいまいだったCFTCとSECの管轄を整理し、米国内の暗号資産事業に関する制度の枠組みを整えるのが柱だ。

下院は2025年7月、前身となる法案を賛成294、反対134の超党派多数で可決した。一方、上院では別の修正案を審査しており、最終的な成立には両院が同一条文を再可決する必要がある。今回の下院公聴会は、上院案との調整後に必要となる再承認手続きをにらんだ動きとみられる。

ホワイトハウス暗号資産委員会の事務局長を務めるパトリック・ウィットは、5月7日のコンセンサス・カンファレンスで、7月4日までの法案成立を目標に掲げていた。ただ、現在の議会日程を踏まえると、この期限に間に合わせるのは容易ではない。下院公聴会が7月17日に設定されたことで、独立記念日前の早期成立シナリオは事実上後退した。

上院での手続きもなお流動的だ。上院銀行委員会は5月14日、賛成15、反対9で法案を可決したが、本会議採決に進むには討論終結動議で超党派の60票を確保する必要がある。海外メディアのCrypto in AmericaやCryptoNewsによると、5月20日時点でも採決日程は固まっていない。

残る論点は大きく3つある。まず、銀行委員会での賛成票が本会議での支持にそのまま結び付くとの超党派合意は、なお正式に固まっていない。加えて、銀行委員会と農業委員会がそれぞれまとめた上院案の条文を一本化する作業も残る。CFTCとSECの権限配分を巡る委員会間の調整にも、なお時間を要する見通しだ。

倫理条項も争点として残っている。カーステン・ギリブランド上院議員は、高位公職者が在職中に暗号資産保有で利益を得ることを明確に禁じる条項が盛り込まれなければ、採決を支持しない考えを示している。この要求は、上院で60票を確保できるかどうかに直接影響する要因とみられている。

さらに、ゲーム事業者団体や部族政府、労働組合などで構成する連合は、スポーツや競技型イベントを対象とする予測市場を禁じる条項の追加を求めている。本会議入りを前に、調整すべき論点がさらに増えた格好だ。

市場では、法案成立の確率はなお低いとの見方が出ている。予測市場プラットフォームのKalshiは、8月までに上院を通過する確率を22%と示した。クラリティ法案は、米国の暗号資産規制の枠組みを左右する中核法案と位置付けられる一方、実際の成立には上院での票読み、委員会間の条文一本化、追加条項を巡る交渉といった複数のハードルを越える必要がある。

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