MiCA移行期間の終了に伴い、EUの暗号資産市場は単一の許可制度へ移行する。写真=Shutterstock

欧州連合(EU)の金融市場規制当局は、域内で無許可営業する暗号資産サービス提供者(CASP)に対し、速やかに撤退手続きに入るよう求めた。7月1日にMiCA(暗号資産市場規則)の移行期間が終了するのを受けた措置で、以後はEU共通の許可を得た事業者のみが域内でサービスを提供できる。

ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、欧州証券市場監督機構(ESMA)は6月23日(現地時間)、無許可のCASPに関する最終ガイダンスを公表した。対象事業者には営業終了に向けた手続きを開始するよう求め、従わない場合は強力な執行措置の対象となり得ると明示した。

焦点となるのは、MiCAの18カ月の移行期間が7月1日に終了する点だ。これまで各国制度の下で認められてきた国別の枠組みは終了し、今後はEU単一基準に基づく許可制度へ一本化される。ESMAは、移行終了後に例外を設けない方針を明確にした。

業界資料によれば、各国制度の下で営業してきた1200社超のうち、期限が迫る時点でも75〜83%が許可を取得できていないという。ESMAが移行期限の延長を明確に否定したことで、数百のプラットフォームが欧州市場から撤退する可能性が高まっている。

無許可事業者は、サービスを一部だけ縮小したり、事実上営業を続けたりすることは認められない。ESMAは直ちに撤退手続きを進めるよう求めるとともに、利用者保護のため厳格な終了計画の実施を義務付けた。新規の欧州顧客の受け入れは直ちに停止し、域内向け広告もすべて止める必要がある。

一方、既存顧客の保護に必要な最小限の業務は認める。プラットフォームは、顧客がデジタル資産を引き出し、移転し、売却できるよう、必要な範囲の機能に限って維持できる。この過程では顧客への通知も義務となる。撤退する事業者は、期限を繰り返し周知し、資産を安全に移す手順を明確に案内しなければならない。

セキュリティ対応とマネーロンダリング対策(AML)の義務も継続する。ESMAは、市場からの撤退手続き中であっても規制上の義務は免除されないとした。閉鎖手続きの期間中も厳格なAMLチェックを続け、不正行為を防ぐため、すべての出金取引を確認するよう求めている。

ESMAは個人投資家にも注意を呼びかけた。7月1日までに利用中のプラットフォームが無許可のままであれば、利用者資産は欧州法上の保護対象ではなくなると強調した。利用者はESMAの暫定的なMiCA登録簿で提供者の適法性を確認し、許可がない場合は承認済みプラットフォームや個人ウォレットへ速やかに資産を移す必要がある。対応が遅れれば、口座が強制的に閉鎖される前に取れる対応の余地が狭まる可能性があるという。

今回の措置は、EUの暗号資産市場が各国別の許可制度から単一規制へ完全移行する節目となる。7月1日以降は、許可の有無が欧州市場に残れるかどうかを左右し、利用者にとってもプラットフォーム選び以上に登録状況の確認が重要になる。

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