Naverの配信プラットフォーム「Chzzk」が、ワールドカップの韓国戦を追い風に同時接続500万人の大台に再挑戦する。25日に行われる2026年北中米ワールドカップの韓国対南アフリカ共和国戦は、韓国代表の決勝トーナメント進出がかかるグループリーグ最終戦で、視聴者数がピークを迎えるかどうかが注目点となる。
24日に業界関係者が明らかにしたところによると、Chzzkは12日のチェコ戦で最大同時接続者数482万5000人を記録し、19日のメキシコ戦でも478万人に達した。両試合の差は4万5000人にとどまった。
メキシコ戦は金曜日の午前10時開始で、チェコ戦の午前11時開始よりも、仕事や授業の時間帯と重なりやすい条件だった。それでも高水準を維持したことで、視聴需要の底堅さが改めて示された格好だ。
今大会では韓国代表の試合が平日午前に集中し、当初は集客面の懸念材料とみられていた。だが実際には、テレビの前にいられない会社員や学生のリアルタイム視聴需要が、オンライン独占配信を担うChzzkに流れた。
チェコ戦の勝利で代表チームへの関心が高まったうえ、開催国でA組の強豪メキシコとの対戦が視聴動機をさらに押し上げたとの見方もある。
その規模は過去実績との比較でも際立つ。Chzzkが昨年11月の「LoL World Championship」で記録した過去最高の同時接続者数は76万人だったが、韓国戦2試合はいずれもこの6倍を超えた。
また、同ワールドカップのオランダ対日本戦で記録した最大同時接続者数28万3000人と比べても、韓国戦は17倍近い水準に達した。
Chzzkが単なる中継チャンネルにとどまらなかった背景には、「同時視聴」の存在がある。ストリーマーが試合映像を視聴しながらリアルタイムで反応し、チャットを交わす形式で、ゲーム配信で定着した視聴スタイルをスポーツ中継にも持ち込んだ。
ワールドカップ期間中に同時視聴を実施したストリーマーは累計約953人。メキシコ戦では、パートナーストリーマーのハン・ドンスク、プンウォルリャンに加え、タレントのイ・ギョンギュ、サッカー専門チャンネルのShoot for Love、E-Star TVなどが参加した。
同時視聴がライブ視聴を束ねる一方、クリップやハイライトは試合後の需要をプラットフォーム内につなぎとめる役割を担う。Naverはワールドカップのライブ配信中、AIベースのショートクリップをリアルタイムで生成・提供し、試合終了後には選手別・試合別のVODハイライトを迅速に公開している。
ライブを見逃したユーザーでも主要シーンを手軽に視聴できるようにする狙いだ。ワールドカップ関連クリップの累計再生数は、メキシコ戦終了後に2億1000万回を超えた。
ユーザー参加型の勝敗予想企画には、グループリーグ第1戦で53万2821人、第2戦で34万4809人が参加した。
ワールドカップは、Chzzkの配信基盤の安定性を検証する場にもなっている。Naverは、メキシコ戦で最大478万人が同時接続した局面でも、サーバー負荷を分散し、安定した視聴環境を維持したと説明した。
このため、通常よりCDN容量を拡大し、リアルタイムのトラフィック制御技術を適用した。あわせて、バッファリングの有無や流入経路、視聴画質などの再生状況をリアルタイムで収集・分析し、運用に反映したとしている。
同時視聴には低遅延モードのLL-HLSを適用し、ストリーマーと視聴者の遅延を抑えて、リアルタイムチャットの没入感を高めた。500万人規模のアクセスが集中した場合、この配信体制が再び試されることになる。
今回のワールドカップ配信は、ネイバープラスメンバーシップの拡大とも連動する。Chzzkでは韓国戦を標準画質で無料視聴でき、ネイバープラスメンバーシップ加入者は高画質で視聴できる。
無料視聴で幅広いユーザーを呼び込み、その後の高画質視聴の需要を有料特典へつなげる構図だ。
南アフリカ戦は、Chzzkにとってグループリーグ期間中の最大の山場となる。韓国が勝利して決勝トーナメントに進めば、その後の試合でも視聴需要が再び拡大する可能性があり、大会期間を通じて配信の勢いが続く余地がある。
一方で、南アフリカ戦の同時接続者数は、試合序盤の展開や代表チームのパフォーマンス、職場や学校での視聴環境、同時視聴への参加規模などによって変動する可能性がある。
業界関係者は「Chzzkが今回のワールドカップで、同時視聴、クリップ、メンバーシップ特典を一つの導線としてつないだことは、単なる放映権の確保にとどまらず、スポーツライブをプラットフォームのエコシステムに取り込む試みだ」と指摘した。
そのうえで「南アフリカ戦の結果にかかわらず、Chzzkが大型スポーツイベントにおける有力なオンライン配信先として存在感を示したことは、今大会ですでに明らかになった」と述べた。