Chainlinkは22日、韓国と日本の主要上場企業の株価をオンチェーンで利用できる新サービス「APAC Equity Streams」の提供を開始した。アジアの取引時間帯に対応したリアルタイム価格データを配信し、トークン化株式やオンチェーン派生商品の開発を後押しする狙いがある。
米メディアのThe Defiantによると、同サービスではSamsung Electronics、SK hynix、Toyota、Sony、SoftBankなど、アジアの主要企業の株価データをオンチェーンで提供する。
Chainlinkも同日、公式Xで提供開始を発表した。開発者はこの価格データを活用し、オンチェーン金融商品や取引市場を構築できるとしている。
想定する用途としては、株式の無期限先物、現物市場、予測市場、ストラクチャード商品、リスク管理戦略などを挙げた。Chainlinkは、信頼性の高いリアルタイム価格データが、グローバル株式市場のオンチェーン化を支える中核インフラになると説明している。
最大の特徴は、アジア市場の取引時間に合わせて株価データを供給する点だ。トークン化株式市場はこれまで米国株を中心に拡大してきた一方、アジア企業の株価を活用できるオンチェーンのデータ基盤は相対的に不足していた。
Samsung ElectronicsやToyotaなどの株価がリアルタイムでオンチェーンに供給されれば、開発者は米国市場のデータに依存せず、アジア企業を原資産とする派生商品や予測市場を設計しやすくなる。
対象は現時点で韓国と日本に限られる。Chainlinkは、中国本土、香港、台湾市場への対応も準備しているとしたが、具体的な時期は明らかにしていない。
一方で、取引量や売上高、対応資産数などの事業指標は開示しなかった。そのうえで、APAC Equity Streamsは実物資産連動型のRWA市場拡大に向けた出発点になると強調した。
今回のサービスは、機関投資家向け金融市場の開拓を進めるChainlinkの戦略とも重なる。米証券決済インフラのDTCCは、24時間稼働するトークン化担保プラットフォームのデータレイヤーにChainlinkを採用した実績がある。
トークン化株式市場も拡大が続く。業界では、トークン化株式をイーサリアムエコシステムで最も成長の速い資産クラスの一つとみる声がある。ただ、足元の市場はNVIDIA、Apple、Teslaなど米国の主要銘柄が中心だ。
ChainlinkはXへの投稿で、「Chainlink APAC Equities Streams are now live, starting with Japan and Korea」と説明し、アジア太平洋地域の大手企業に関する高速かつ安全なデータを基に、オンチェーン市場を構築できると訴えた。
市場では今後、APAC Equity Streamsが実際の採用拡大につながるかに関心が集まりそうだ。Samsung ElectronicsやToyotaなどアジアの主要銘柄を活用したオンチェーン金融商品がどの程度のスピードで立ち上がるかに加え、中国本土や香港市場まで対象を広げられるかも焦点となる。