Ethereum Foundationは、最大抽出価値(MEV)をネットワークの構造リスクと位置付け、プライバシーの標準化をプロトコルに組み込む方針を打ち出した。あわせて、財団の報酬支給をETHとイーサリアム基盤のステーブルコイン中心に見直す考えも示した。
ブロックチェーンメディア「The Defiant」によると、Ethereum Foundationの最高戦略アドバイザー(CSA)を務めるアエルゴは22日(現地時間)、6項目の実行案を公表した。プロトコルの優先課題と財団運営の原則を一体で見直す内容だという。
実行案の柱は大きく3つある。第1に、MEVを単なる市場現象ではなく、ネットワーク全体に影響する構造リスクとして扱うこと。第2に、プライバシーを任意機能ではなく、基本原則として設計に組み込むこと。第3に、財団の報酬支給をETHとイーサリアム基盤のステーブルコイン中心へ移行することだ。
財団運営の面では、報酬支給の手段を見直す。アエルゴは、ETHとイーサリアム基盤のステーブルコインへの切り替えを進める方針を説明した。ネットワーク価値と連動する資産の活用を強める狙いがあるとみられる。
今回の計画の特徴は、技術面の課題設定と財団の運営原則を切り離さずに示した点にある。MEVは、ブロック生成や取引順序の調整を通じて特定の参加者が追加利益を得る構造を指す。これを構造リスクと明確に位置付けたことで、ネットワークの公平性や利用者体験、取引コストの問題をプロトコルレベルで扱う姿勢が鮮明になった。
プライバシーの標準化を進める方針も同じ文脈にある。これまでイーサリアムのエコシステムでは、プライバシー機能は主に外部ツールや選択式の機能に依存してきた。財団は今後、プライバシーを基本原則に据え、設計上の優先順位を見直す立場を明確にした。
報酬支給方式の変更は、運営面でもメッセージ性が大きい。財団がETHとイーサリアム基盤のステーブルコインを直接活用すれば、エコシステム内の資産と財団運営の結び付きは一段と強まる。とりわけ給与や報酬など継続的な支出に適用すれば、外部資産よりもイーサリアム基盤の金融インフラを優先的に活用する姿勢を示すことになる。
もっとも、現時点では具体的な実施時期や制度設計の詳細は明らかにしていない。今回の6項目は、優先順位と方向性を示す性格が強い。今後、どのような技術的措置や運用方針が続くのかが次の焦点となる。
市場の関心は、財団がMEVとプライバシーを周辺的な論点ではなく、中核的な実行課題へ引き上げた点に集まっている。今回示した方針が、今後のプロトコル議論やエコシステムのサービス設計、財団の資産運用にどのような影響を及ぼすのかが注目される。