Morgan Stanleyは、米国で申請中のイーサリアムおよびソラナの現物上場投資信託(ETF)について、信託報酬(手数料)をいずれも0.14%に設定した。米証券取引委員会(SEC)に修正S-1届出書を提出したもので、既存の関連ETFを下回る低水準として市場の関心を集めている。
Cointelegraphが22日(現地時間)に報じた。提出資料では、両商品の信託報酬を0.14%とする方針を開示した。
Farside Investorsによると、米国のイーサリアム現物ETFで最も低い信託報酬は、Grayscaleの「Ethereum Staking Mini ETF」の0.15%。ソラナ現物ETFでは、Franklin Templetonの「Franklin Solana ETF」が0.19%としている。Morgan Stanleyは両資産とも、これを下回る水準で投入されることになる。
BloombergのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏はX(旧Twitter)への投稿で、今回の0.14%について、米国だけでなく世界的に見ても最安水準との見方を示した。
市場では、今回の修正届出を承認手続きが最終段階に近づいた兆候と受け止める向きがある。Morgan Stanleyが初回申請を行ったのは今年1月で、届出書の修正は今回が2回目となる。
SECが上場・取引開始を承認すれば、Morgan Stanleyの商品は米国で11本目のイーサリアム現物ETF、7本目のソラナ現物ETFとなる。
同社はビットコイン現物ETFでも同様の低報酬戦略を採っている。4月に上場したビットコイン現物ETFの信託報酬も0.14%に設定し、Grayscaleの「Mini Bitcoin ETF」の0.15%を下回った。
こうした価格戦略は、後発組として市場シェアの獲得を狙う動きとみられている。米国の暗号資産現物ETF市場はBlackRockやFidelityなど大手運用会社が主導しており、Morgan Stanleyは価格競争力を前面に出して資金流入を促す構えだ。
ビットコイン現物ETFの実績も、その効果を一定程度示している。Morgan Stanleyのビットコイン現物ETFには、上場初日に3060万ドル(約46億円)が流入し、累計流入額は3億3100万ドル(約497億円)に達したという。
この水準は、2024年1月に上場したInvesco、Franklin Templeton、CoinShares関連のETFを上回るとしている。
今回の届出書には、ステーキングの枠組みも盛り込まれた。P2P.org、Galaxy Blockchain Infrastructure、Coinbase Canadaが両ETFのステーキングサービスを担い、各ファンドはステーキング報酬の5%を受け取る仕組みとなっている。
現物ETF本体の信託報酬を抑える一方で、ステーキング報酬を収益源として組み込む設計といえる。
商品名とティッカーも明らかになった。イーサリアム現物ETFは「Morgan Stanley Ethereum Trust」で、ティッカーは「MSSE」。ソラナETFは「Morgan Stanley Solana Trust」で、ティッカーは「MSOL」となる予定だ。
今後の焦点は2つある。1つは、修正届出後にSECがいつ上場・取引開始を認めるか。もう1つは、超低報酬戦略が競争の激しい暗号資産現物ETF市場で、どの程度の資金流入につながるかだ。
とりわけ、イーサリアムとソラナの両現物ETFに同一の価格戦略を適用したことで、運用会社間の信託報酬引き下げ競争が一段と広がる可能性がある。