米エコノミストのピーター・シフ氏が、Cardone Capitalのグラント・カドン氏による不動産・Bitcoin連動型の投資商品を批判した。不動産の賃料収入を原資にBitcoinを買い増す仕組みで、目標利回りは22〜32%とされるが、商品性や実現性を巡って見方が分かれている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、シフ氏は22日(現地時間)、「不動産とBitcoinを組み合わせても何も解決しない」と述べ、これを新たなBitcoin活用事例として評価することに否定的な見解を示した。
議論の中心となっているのは、Cardone Capitalが打ち出した不動産とBitcoinを組み合わせた投資スキームだ。カドン氏は「Consensus Miami 2026」で、キャッシュフローを生む集合住宅とBitcoinの購入を、専用の有限責任会社(LLC)に組み込む手法を説明した。
この商品の柱は、不動産の賃料収入を原資にBitcoinを継続的に買い増す点にある。Cardone Capitalはこの戦略の一環として、8750万ドル規模の「10X Space Coast Bitcoin Fund」を最近立ち上げた。
カドン氏は、この戦略が4兆ドル規模の不動産投資信託(REIT)市場を揺るがす可能性があるとみている。あわせて、1960年代に形作られた従来型REITの仕組みは、現在では限界があるとも主張した。
また、自社のBitcoin中心の不動産ファンド投資家の約80%が、それまで暗号資産への投資経験を持っていなかったことも明らかにした。伝統資産の投資家を暗号資産投資へ取り込む入口になり得る点を強調した形だ。
これに対し、シフ氏はこの考え方を受け入れなかった。Xへの投稿で、カドン氏が「REITには修繕や保守費の支払いを支えるため、バランスシート上のBitcoinが必要だと主張している」とした上で、不動産はもともと賃料収入を生み、継続的な費用を賄えると反論した。
今回のスキームは、不動産投資商品の性格を、賃料収入中心の安定運用からBitcoinの価格変動を取り込む複合型へと変えるものでもある。不動産のキャッシュフローがBitcoin購入に回れば、投資家は賃料収入や資産価値の上昇に加え、Bitcoin相場の変動にも同時にさらされることになる。
目標利回りが22〜32%とされる以上、その収益が不動産運用だけでどこまで説明できるのかも焦点だ。Bitcoin価格が上昇すれば利回りの押し上げ要因になる一方、下落局面では不動産が持つ安定的なキャッシュフローの強みが薄れる可能性もある。
争点は、不動産の安定収益とBitcoinの高い値動きを単一の商品に組み合わせる戦略が、実際に有効な投資代替になり得るかどうかにある。カドン氏は、従来の不動産商品では満たせなかったBitcoin保有ニーズを取り込めるとみる一方、シフ氏はその前提自体に懐疑的だ。
今後は、この商品が実際に資金を呼び込めるか、さらに伝統的な不動産投資の代替として定着するかが注目点となる。