ビットコイン先物市場でファンディングレートが約2週間ぶりの高水準に上昇し、短期的な投資家心理は持ち直している。ただ、米国上場のビットコイン現物ETFでは資金流出が6週連続で続いており、相場が短期間で7万ドルを回復するとの見方はなお限定的だ。
22日付のCointelegraphによると、ビットコインは同日、一時6万5500ドルまで上昇した。
背景には、中東情勢を巡る緊張緩和への期待がある。JD・バンス米副大統領は、スイスでのイラン代表団との協議について「前向きな進展があり、ホルムズ海峡も開かれている」と述べた。
デリバティブ市場でも強気姿勢がやや強まった。ビットコイン無期限先物の年率換算ファンディングレートは同日、7%まで上昇し、約3週間ぶりの高水準を付けた。なお、水準自体は中立レンジとされる6〜12%の範囲内だが、買いレバレッジ需要の拡大を映していると受け止められている。
原油安も市場心理の改善を後押しした。ブレント原油は1バレル77.50ドルまで下落し、3月以降で最も低い水準を記録した。地政学リスクの後退を受け、リスク資産全体への警戒感がやや和らいだ格好だ。
もっとも、市場全体がリスク選好に傾いたわけではない。ナスダック100指数は、人工知能関連株の下落を背景に1%安となった。SpaceX株も、1000億ドル超の現金を保有しながら負債調達計画を示した後、13%下落した。市場では、関連企業が収益性を確立するまでには、より長い時間と追加投資が必要になるとの見方が出ている。
オプション市場では、むしろ下落に備える動きが目立った。22日のプットオプション需要はコールオプションの2倍を超えた。20日以降は弱気方向への傾きが強まり、前週とは逆の流れとなった。ビットコイン価格が反発する場面でも、投資家が下値リスクを意識していることを示している。
企業によるビットコイン保有を巡る懸念も一部に残る。Strategy株は、同社が保有する84万7363枚のビットコインの取得原価641億ドルを13%下回る水準で取引された。負債は67億5000万ドルと耐えられる規模とみられているが、市場の一部では保有分売却の可能性を警戒する声もあった。その後、Strategyは3000億ドル規模の追加キャッシュポジションを発表し、こうした懸念を一定程度和らげた。
現物市場のオーダーブックにも、週末とは異なる動きがみられた。主要取引所のビットコイン注文状況では、買いの待機数量が売りを1200万ドル上回った。このため、6万5000ドルを維持できなかったことだけをもって弱気転換と判断するのは難しいとの見方が出ている。同日、金は0.9%下落し、米国債にも売り圧力がかかった。
こうした値動きは、投資家の現金志向の強さを映している可能性がある。米国債利回りの上昇は、インフレ懸念や米政府債務の拡大に伴う希薄化懸念を織り込んだ結果となる可能性がある。こうしたマクロ環境では、ビットコインも短期的な上昇モメンタムを強めにくい。
最大の重荷となっているのは、現物ETFの資金フローだ。米国上場のビットコイン現物ETFは6週連続で資金流出となった。直近1週間の純流出額は2億2800万ドル。先物のファンディングレートやオーダーブックは一定の楽観を示しているものの、現物マネーが追随しない限り、相場が短期で7万ドルまで一気に上昇する可能性は高くないとの見方がなお強い。