日経平均株価は22日、終値で初めて7万2000円台を付けた。政府が「フィジカルAI」分野に10兆5000億円を投じる計画を打ち出したことを受け、半導体やロボット関連銘柄に買いが広がった。
ブロックチェーン系メディアCryptopolitanによると、日経平均は前日比1.55%高の7万2353.96円で取引を終えた。終値ベースで7営業日連続で過去最高値を更新した。
TOPIXも1.29%高の4097.26で引け、過去最高値を付けた。取引時間中の高値でも、日経平均、TOPIXともに最高値を更新した。
相場を押し上げたのは、日本政府が進める大規模な「フィジカルAI」育成策だ。サナエ・タカイチ氏は、AIの活用領域をソフトウェア中心から産業設備やロボット、製造現場へ広げる成長戦略を推進している。
政府はロボットと産業機械分野に10兆5000億円を投じる方針だ。さらに、2040年までに官民合計370兆円の長期投資も進める計画としている。
投資対象は、半導体やロボットのほか、ドローン、量子コンピューティング、航空宇宙、サイバーセキュリティ、核融合、海洋産業など17分野62の中核技術に及ぶ。次世代無線通信や光通信、海底ケーブルなどAIインフラの整備にも29兆円を追加投入する方針だ。
株式市場では関連銘柄が一斉に上昇した。Renesas Electronicsは6.49%高、ROHMは3.14%高。半導体検査装置のAdvantestは1.35%高、Tokyo Electronは3.24%高だった。AI投資拡大の恩恵銘柄とみられるSoftBank Groupも1.87%上昇した。
ロボット関連も大幅高となった。安川電機は9.02%高、FANUCは8.10%高と急伸。業種別では非鉄金属が7.57%高で上昇率首位となり、電気機器、ガラス・土石製品が続いた。
今回の投資拡大の背景には、人口動態の変化もある。日本では今後20年で生産年齢人口が約1500万人減少する可能性が示されている。生産年齢人口比率は現在59.6%で、労働力不足への対応策としてAIとロボットによる自動化投資を拡大している。
日本は製造業の自動化分野で高い競争力を持つ。製造業労働者1万人当たり419台の産業用ロボットを導入しており、設置台数は43万5000台に達する。2024年の産業用ロボット出荷は16万台を超え、世界のロボット輸出の38%を占めた。
足元では関連政策も相次いでいる。日本銀行は16日、政策金利を1%に引き上げた。同日には2省庁が電気自動車向けバッテリーの義務回収プログラムの検討を開始。全国銀行協会は18日、AIを用いたサイバー攻撃リスクを指摘し、AI戦略本部は19日、AI関連法を継続評価する素案を公表した。
市場では、今回の株高を短期的な材料にとどまらず、半導体、ロボット、通信インフラ、サイバーセキュリティを束ねる長期の産業投資計画として捉える見方が出ている。今後は政策執行のスピードと、民間投資の広がりが焦点となりそうだ。