SpaceX株が急落した。22日のナスダック市場で前日比16.43%安の154.6ドルで取引を終え、6月16日に付けた最高値225.64ドルから3割超下落した。公募価格の135ドルはなお上回っているものの、IPO直後の過熱感は大きく後退している。
米CNBCによると、市場では上場直後の急騰に対する反動安との見方が広がっている。SpaceXは6月12日の新規株式公開(IPO)後、最初の2営業日で株価が大きく上昇した。この過程で時価総額は一時Amazonを上回り、先週火曜日にはMicrosoftも超えたが、その後は両社を下回る水準に戻った。
足元では、上場直後の強気な期待に加え、業績面への不安も意識されている。強気派は、最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が主導する成長戦略が長期的な収益拡大につながるとみている。一方、SpaceXは2025年に49億ドルの純損失を計上し、2026年1〜3月期にも42億8000万ドルの損失を記録した。
今回の下落は単一要因ではないが、200億ドル規模の社債発行計画を巡る報道が直接のきっかけになったとみられる。市場では、IPOで750億ドルを調達してから1カ月もたたないうちに追加調達に動く点が警戒された。AIインフラ投資の拡大ペースに対し、キャッシュ創出力が追いついていないとの懸念もくすぶる。
加えて、下期にかけてロックアップ(株式売却制限)が段階的に解除される予定で、潜在的な売り圧力として意識されている。1〜3月期決算発表直後に最大30%が解除され、その後135日目までに追加で35%が順次市場に出る見通しだ。
今後の焦点は、上場プレミアムをどこまで維持できるかに移る。SpaceXは上場直後の旺盛な需要を追い風に、世界有数の高評価企業として浮上した。しかし今回の調整で、長期成長期待だけでは短期的な株価変動を吸収しきれない実態も改めて示された。巨額赤字が続くなか、マスク氏への期待が株価の下支え要因となるかが引き続き注目される。