ビットコインは6万4000ドル前後でもみ合いが続いている。今週は米ドル高に加え、米連邦準備制度理事会(Fed)が重視するPCE物価指数などのインフレ指標が相場の重しとなる一方、原油安を支援材料とみる向きもあり、6万ドルの節目を維持できるかが焦点となっている。
22日付のCointelegraphによると、米ドル指数(DXY)は100を再び上回り、2025年5月以来の高水準まで上昇した。ドル高は一般に暗号資産を含むリスク資産に逆風となりやすく、ビットコインの上値を抑える要因とみられている。
DXYは米国の主要貿易相手国の通貨に対するドルの強さを示す指数。暗号資産市場とは逆相関の傾向があるため、ドル高基調が続けばビットコインの戻り余地は限られやすい。
トレーダーのダン・クリプト・トレーズは、DXYが100を突破し、日足ベースの200日単純移動平均線(SMA)と指数平滑移動平均線(EMA)に支えられていると指摘した。ベンジャミン・コーウェンは、2026年後半までドル高シナリオが続く可能性があるとの見方を示している。
今週はマクロ指標の発表も相次ぐ。5月の個人消費支出(PCE)物価指数に加え、1〜3月期の国内総生産(GDP)改定値、新規失業保険申請件数が公表される予定だ。
なかでもPCE物価指数は、金利見通しを左右する重要指標として注目される。インフレ圧力が市場予想を上回れば、利下げ観測がさらに後退し、金融引き締めの長期化が意識される可能性がある。
CME GroupのFedWatchツールによると、市場では7月末の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げとなる可能性を約36%織り込んでいる。
一方、原油価格の急落はビットコインの下支え要因とみる向きもある。米国とイランの合意後、米国産WTI原油は1バレル73ドル(約1万950円)まで下落し、3月上旬以来の安値を付けた。
足元では、リスク資産が上昇する一方で原油が下落する場面もみられており、ビットコインもこうした環境のなかで6万4000ドル近辺を維持している。
短期的には、7月の反発期待も残る。トレーダーのRekt Capitalは、過去の6月と7月の値動きの相関を根拠に、6月が軟調に終われば7月に自律反発が入る可能性があると指摘した。
ただ、長期的には弱気相場が数カ月続く可能性もあるとして、過去の弱気局面と比べても、なお下落余地が残っているとの見方を示した。
オンチェーン指標では、6万ドル近辺の下値支持にも注目が集まっている。Glassnodeは最近の分析で、ビットコインと金がそろって上昇するなか、蓄積の動きが6万ドルを当面の下値として支えていると評価した。
Glassnodeは、安値圏での売りの吸収が比較的緩やかに進んだと説明しており、6万ドル水準は複数の投資家層によって防衛される可能性があるとみている。
その一方で、短期保有者の売り圧力は引き続き重しだ。CryptoQuantのアナリスト、ダークフォストは、直近の調整局面で最も売りを出しやすかった主体として、保有期間6カ月以下の短期保有者を挙げた。
6月にBinanceへ流入した短期保有者の資金は、過去7日で8万BTCを超え、金額ベースでは約50億ドル(約7500億円)相当の売り圧力になると分析した。
ただし、大口投資家の動きは現行の価格帯で比較的落ち着いている。アナリストのクリプトジェノは、長期保有のクジラと短期保有のクジラの収益性の差が、投げ売りではなくもみ合い局面を示していると分析した。
このため今週のビットコイン市場は、ドル高とインフレ指標、原油安、短期保有者の売り圧力がせめぎ合う展開となりそうだ。6万ドルの支持線を維持できるか、また7月の季節的な反発が実際に表れるかが、目先の方向性を左右する。