Bitwiseのハンター・ホスリーCEOは、現在の暗号資産市場について、ドットコムバブル崩壊後の「勝者選別」の局面に近いとの見方を示した。次の市場サイクルでは、実績や競争力が確認された少数の資産に資金が集まる可能性が高いという。
ブロックチェーン関連メディアのCoinPostによると、ホスリー氏は21日、X(旧Twitter)への投稿で、暗号資産市場は1990年代後半のインターネット業界と似た段階に入っていると指摘した。
同氏は、ドットコムバブル期には数百社のインターネット企業が成長期待だけで数億ドル規模の企業価値を評価された一方、バブル崩壊後は実績と競争力を示した一部企業だけが生き残ったと説明した。さらに、そうした企業は前のサイクルを上回る規模で、より長期にわたって成長したと強調した。
そのうえで、暗号資産市場も同じ流れにあるとの認識を示した。ホスリー氏は「勝者はさらに少なくなる」とする一方で、「生き残るプロジェクトは、多くの人が想像する以上に大きく、長く成長し得る」と述べた。
背景には、市場の評価軸の変化がある。これまで期待や投機的なストーリーで評価されてきたプロジェクトが選別され、今後は実需や技術面での競争力、エコシステムの拡張性を示した資産へと資金が再配分される可能性が高い、との見立てだ。
市場全体の方向感よりも、「どの資産が生き残るのか」に焦点を当てた点も注目される。ホスリー氏は、暗号資産市場が将来性だけで評価される段階から、実際の成果や採用状況を問われる段階へ移行しているとみている。
Bitwiseは米国で、ビットコイン現物ETFやイーサリアムETFをはじめとする複数のデジタル資産投資商品を運用している資産運用会社だ。機関投資家向けの暗号資産関連商品も継続的に拡充している。今回の発言はBitwiseとしての公式見解ではなく、ホスリー氏個人の見方として示されたものだが、機関投資家と接点の多い運用会社トップの発言として市場の関心を集めた。
Bitwiseでは市場サイクルを巡る発信も続いている。最高投資責任者(CIO)のマット・ホーガン氏は以前、ビットコイン投資で重要なのは底値を当てることではなく、天井を見極めることだと言及していた。ただ、今回のホスリー氏の発言は価格見通しそのものではなく、市場構造の変化に主眼を置いた内容といえる。
市場の関心は今後、技術面での優位性や実際の採用事例を示した銘柄に、資金がどの程度の速さで再編されるかへ移りつつある。ホスリー氏の見立て通りであれば、次のサイクルは幅広い銘柄に資金が分散する相場ではなく、強みを示した少数の資産に需要が集中する展開となる可能性がある。