CLARITY法案では、SECとCFTCの監督権限の分担が主要争点の一つとなっている(画像=Reve AI)

米上院で審議中の暗号資産市場構造法案「CLARITY法案」は、7月4日の議会休会前の本会議採決を目指しているものの、日程はなお確定していない。超党派での60票確保、上院内での条文調整、倫理条項を巡る対立が主な障害となっている。

Coinpostが20日(現地時間)に報じたところによると、休会まで残る営業日は9日を切ったが、本会議採決の日程は決まっていない。法案の行方を左右する論点は、大きく3つに集約される。

まず、本会議入りには討論終結動議の可決が必要となる。上院規則では、法案を本格審議と採決に進めるには少なくとも60票の賛成が求められる。

CLARITY法案は5月14日、上院銀行委員会を15対9で通過した。ただ、本会議では民主、共和両党から追加の支持を取り付ける必要がある。

下院ではすでに一定の超党派支持を得ている。昨年7月17日には294対134で可決された。ただ、上院では下院以上に幅広い党派間合意が必要になるとの見方が強い。

次の争点は、上院内での法案文言の調整だ。上院銀行委員会と農業委員会は、それぞれ独自の条文案をまとめている。

両委員会は、暗号資産の監督権限を米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の間でどう分担するかを巡り、細部の調整を進めている。焦点は、ビットコインやイーサリアムなどをCFTCの監督対象としつつ、証券ブローカーや取引所に関する活動はSECが担う二元体制を、どのように法案へ落とし込むかにある。業界内では、この調整に数週間以上かかる可能性があるとの見方も出ている。

3つ目は、最も政治的に敏感な論点が倫理条項だ。資産運用会社Arcaのデビッド・ネイジ氏(マネージングディレクター)は、最近の上院議員との面談後、法案の大枠では議会と業界の間で80〜85%程度の一致ができているとの認識を示した。

同氏によると、かつて論争となったステーブルコインの利息収益条項は、もはや主要争点ではない。一方で足元では、高位公職者による暗号資産保有と利益相反が新たな対立点として浮上している。

カーステン・ギリブランド上院議員は、高位公職者が在任中に暗号資産投資で経済的利益を得ることを禁じる倫理条項を法案に盛り込むべきだと主張している。この論点は、討論終結動議の可決に必要な60票の確保を左右しかねない。

このほか、予測市場規制を巡る新たな要望も浮上している。米ゲーム業界団体や部族政府、労働組合などでつくる連合は、スポーツの試合や競技性イベントを対象とした予測市場商品を禁じる条項を法案に盛り込むよう求めている。

業界内では、会期日程の逼迫への警戒感も強まっている。Digital Chamberのコードバーン最高経営責任者(CEO)は「残された会期が短いほど、対応を急ぐ必要が高まる」と述べた。

下院農業委員会のデジタル資産小委員会で委員長を務めるダスティ・ジョンソン氏も、「8月までに結論を出せなければ、機会を長く逃しかねない」と警告した。

こうした状況を受け、業界のロビー活動も活発化している。暗号資産支持団体「Stand With Crypto」は最近、12州以上で支持者を動員し、上院議員事務所18カ所を訪問した。Digital Chamberも追加の働きかけを予告している。

もっとも、市場は法案成立を楽観していない。予測市場プラットフォームKalshiは、8月までに法案が上院を通過する確率を約22%とみている。

業界では、残された時間の中で超党派の60票を確保し、条文調整と倫理条項を巡る合意形成まで進められるかが最大の焦点との見方が多い。7月4日の休会前採決が見送られれば、法案審議は8月以降にずれ込む公算が大きい。

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