写真= iShares X

BlackRockは、月次インカムの獲得を目指すビットコイン連動型ETF「BITA」を上場した。既存のビットコイン現物ETF「IBIT」を活用し、カバードコール戦略で得たプレミアム収入を投資家に分配する設計だ。

Bitcoin Magazineが18日(現地時間)に報じたところによると、BITAはビットコイン価格の上昇余地を一部抑える一方、ボラティリティを背景に得られるオプションのプレミアム収入を分配原資とし、従来の暗号資産投資では取り込みにくかった投資家層の拡大を狙う。

BITAは、IBITを通じてビットコインへのエクスポージャーを確保しつつ、ポートフォリオの約25〜35%についてアット・ザ・マネーのコールオプションを売却するカバードコール戦略を採用する。これにより得たプレミアム収入をインカムとして分配する仕組みだ。

BlackRockで米国株ETFを統括するジェイ・ジェイコブス氏は、この商品を「投資家向けのハイブリッド戦略」と位置付け、「ビットコインの上昇余地に参加しながら、インカムの獲得も狙える」と説明した。

収益水準はビットコインのボラティリティに左右される。オプション価格は変動率の影響を強く受けるため、ボラティリティが高い局面ほどプレミアム収入は厚くなりやすいという。

一方で、ビットコインが大きく上昇する局面では、現物をそのまま保有する場合に比べてリターンが見劣りする可能性がある。

ジェイコブス氏は例として、ビットコインが1年間で10%上昇し、上昇分の約30%をオプションで差し出すケースでは、価格リターンは約7%になると説明した。これにインカム15%が加われば、総リターンは約22%となる。一方、ビットコインが1年で100%上昇した場合は、価格上昇分約70%とインカム15%を合わせても約85%にとどまり、単純な現物保有を下回る可能性があるという。

ただ、BlackRockはこうした特性を弱点ではなく、想定する投資家層に合わせた商品設計とみている。ジェイコブス氏は「ボラティリティはオプション価格を左右する中核要素であり、オプション売りを通じてそのボラティリティを収益化する」と述べた。

BITAが想定する主な投資家は、資産クラス全般でインカムを重視する層に加え、ビットコインの長期保有者のうち、弱気相場や横ばい相場でもキャッシュフローを求める層だ。

また、キャッシュフローを生まない資産の組み入れに慎重だったポートフォリオ運用者も重要な対象となる。ジェイコブス氏は「キャッシュフローが全くない資産はポートフォリオに組み入れにくかった」とし、ビットコインや金、銀のような無収益資産に対して、BITAが新たな選択肢になり得るとの見方を示した。

あわせて同氏は、基盤となるIBITの拡大にも言及した。IBITの設定以降、購入者の約4分の3はiShares商品を初めて買った投資家だったという。ビットコイン現物ETFが既存投資家の乗り換えにとどまらず、新たなETF資金の流入経路として機能したことを示す内容だ。

さらに、大手銀行のプラットフォーム上でこれまでデジタル資産へのアクセスが制限されていたファイナンシャルアドバイザーも、IBITへのアクセス拡大を受けて新たな需要層として浮上している。こうした動きは、ミレニアル世代の資産形成や世代間の資産移転の流れとも重なるという。

BlackRockは今回のBITAについて、ビットコインへの直接投資だけでは取り込めなかった投資家に対し、インカム機能を付加することで投資のハードルを下げる商品と位置付けている。ビットコインのボラティリティを回避すべきリスクではなく、商品設計の中核に据えた点が特徴といえそうだ。

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