写真=マイケル・セイラー氏の公式サイト

Strategyのマイケル・セイラー会長が、ビットコインの追加購入を改めて示唆した。もっとも、市場の関心は購入シグナルそのものより、実際に買い増しを支える資金調達余力に集まっている。永久優先株「STRC」の下落に加え、普通株発行にも制約が意識されているためだ。

ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、セイラー氏は21日、同社のビットコイン保有量を追跡するチャートをXに投稿し、「点が増えるほど見栄えがいい」とのメッセージを添えた。市場では、追加購入を示すシグナルとの受け止めが広がった。

一方で、Strategyを取り巻く調達環境には逆風が強まっている。足元ではSTRC安が重荷となっており、同社の追加的なビットコイン購入余地を巡る見方は慎重になっている。

STRCは額面100ドル、年11.5%配当の変動金利型の永久優先株。足元では89ドルを下回る水準まで下落した。これにより、既発行分の配当負担が増す構造となっており、年間の配当コストは約5300万ドル増加するという。

このため、市場ではStrategyが直ちに追加購入に踏み切れるのか疑問視する声が出ている。とりわけ、ビットコイン購入の主な資金源とみられてきたSTRC経由の調達は、6月に入って止まったと伝えられている。

普通株の発行余地も限られるとの指摘がある。現在、Strategyの純資産価値倍率を示すmNAVは1倍前後に低下しており、同社の基準では新たなMSTR普通株の発行に適した局面ではないとの解釈が出ている。

市場関係者の一部は、セイラー氏の発信が実際の買い増しに結びつくかを見極めている。暗号資産の解説者ビザンティン・ジェネラルは、mNAVが1倍近辺ではMSTRの追加発行が難しく、STRCも100ドルを下回っているため活用しにくいと指摘した。

さらに同氏は、手元資金の取り崩しに踏み込むのは極めて無謀だとの見方も示した。

STRCを巡る懸念は市場心理にも影響を及ぼしている。一部アナリストの間では、STRC投資家の信認回復を優先し、Strategyが現金確保のためにビットコイン売却に動く可能性があるとの観測が、ビットコイン相場の重荷になっているとの見方もある。

商品設計そのものに対する懐疑的な見方も出ている。BloombergのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏はSTRCを「継続的な厄介者」と評し、Strategyはこうした資金調達手段から撤退すべきだと主張した。

それでも、セイラー氏は今回も追加購入の姿勢を崩していないもようだ。STRC急落による配当負担の増加、普通株発行の制約が同時に意識されるなか、市場の焦点はビットコインの追加購入そのものより、どのような手段で資金を確保するかに移っている。

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