Ethereum Foundation(EF)で幹部の離脱が相次ぐ中、Zcash(ZEC)共同創業者のエリ・ベンサソン氏が、Ethereumを巡る足元の混乱について見解を示した。Ethereumの技術的な強みを評価する一方で、財団内には「内部政治」があると指摘した。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが21日(現地時間)に伝えたところによると、ベンサソン氏はEFを一方的に批判する立場でも、現状を全面的に擁護する立場でもないとした上で、現在の状況を冷静に見る必要があるとの認識を示した。
EFでは最近、共同エグゼクティブディレクターで理事も務めていたシャオウェイ・ワン氏が退任した。過去5カ月で財団を離れた幹部は少なくとも8人に上るとされる。
こうした動きは、競合ブロックチェーンとの競争激化と重なっており、Ethereumの中核開発体制を不安視する見方も広がっている。
資金面への懸念も浮上している。EFの元コントリビューターであるトレント・バン・エプス氏は、支出削減とクライアント・インセンティブ・プログラム(CIP)の終了を根拠に、今後3〜9カ月以内にEthereumの開発資金を巡る危機が表面化する可能性があると警告した。
一方、強気派として知られるBitMine会長のトム・リー氏は、Ethereumで資金危機が起きる可能性は「ゼロ」だと述べている。
こうした中、ベンサソン氏は、自身の発言はEF批判やEthereumの終焉を唱えるものではないと強調した。同時に、問題がないかのように現状を取り繕うつもりもないと説明した。
同氏は、自らをEthereumの友人であり、長年にわたりスケーリングに取り組んできたレイヤー2の運営責任者として位置付けた。短期的な観測ではなく、長くEthereumの拡張に関わってきた立場から意見を述べたいとの考えを示した形だ。
ベンサソン氏はZcashの共同創業者であると同時に、StarkWareの共同創業者でもある。
その上で同氏は、Ethereumの技術的な強みは明確だと評価した。ただ、エコシステム内では技術的な選択が常に歓迎されるわけではないとも指摘した。
具体例として、StarkWareが2019年から2020年にかけて、Ethereumの拡張と量子耐性への対応を目的にポスト量子型のZK-STARKシステムを開発した事例に言及した。当時、STARKとzkVMを選択した判断は異例と受け止められ、エコシステムの主流と整合しないとの見方もあったという。
それでもベンサソン氏は、当時の判断を後悔していないとした。市場の見方よりも、技術の方向性を優先すべきだとの考えをにじませた。
今後の体制変化についても、同氏はなお前向きな見方を示した。新たな運営体制には、同調圧力よりも実力や技術力を重視してほしいとし、暗号資産エコシステム全体を支える立場から、そうした方向に進むのであれば一段と緊密に協力したいと述べた。
今回の発言は、EFの組織安定性や中核開発の財源を巡る懸念が強まる局面で出たものだ。ベンサソン氏は危機を断定せず、財団を一方的に非難することも避けた一方、Ethereumの強みと内部対立が併存している現状を指摘し、今後の運営体制は技術重視で立て直す必要があるとの問題意識を示した。