ビットコインは年初来安値圏を再び試す可能性が意識されている。写真=Shutterstock

ビットコインが年初来安値の5万9000ドル近辺を再び試すとの見方が強まり、市場では追加下落への警戒感が高まっている。下値には大きな流動性帯が控え、短期的な急落や強制清算の連鎖が意識される一方、取引所への流入減少など需給面では売り圧力の鈍化を示すデータも出ている。

Cointelegraphは19日付で、5万9000ドルを下回る水準に流動性が集中しており、短期的な下振れリスクがある半面、取引所流入の減少などから弱気一辺倒の見方には注意が必要だと報じた。

足元のビットコインは戻りを試したものの、主要な上値抵抗を回復できなかった。売りは50日・100日指数移動平均線近辺で優勢となり、価格は上昇チャネルを下抜けた。4時間足でも弱気構造からの下放れが確認され、まずは6万700ドル近辺がサポート候補として意識され、その下では年初来安値の5万9000ドルが次の下値めどとみられている。

とりわけ5万9000ドル近辺には、累計で40億ドル超のレバレッジ・ロングが集中している。相場がこの水準まで下落すれば、強制清算が連鎖し、後追いで積み上がったロングが整理される可能性がある。一方、上値では6万8000ドル近辺にも47億5000万ドル超のポジションが積み上がっており、下方の清算をこなした後に反発すれば、次は上方の流動性帯を試すとの見方も出ている。

テクニカル指標も売られ過ぎの水準に近づいている。相対力指数(RSI)は売られ過ぎ圏の手前まで低下した。年初来安値に向けてさらに下押しすれば30を下回る可能性があり、その後に清算が一巡すれば短期的な反発につながるとの見方が示されている。

市場では、追加下落を想定しつつも、弱気一辺倒のポジション構築は避けるべきだとの声もある。暗号資産アナリストのKillaは、ビットコインが6万ドル割れの流動性プールを完全に取りに行く前に、直前で反転する可能性があるとみている。多くの市場参加者が注目する価格帯をそのまま通過せず、逆方向に動く場面があるという見立てだ。トレーダーのLPも「この値動きを過度に弱気と捉える必要はない」として、6月末にかけて底打ちを形成する可能性に言及した。

需給面では、下落圧力がやや和らいだ兆候もうかがえる。CryptoQuantのアナリスト、アムル・タハによると、19日にBinance、Coinbase、Coinbase Primeで中規模保有者による取引所流入がそろって減少した。流入量はBinanceが約3500BTC、Coinbaseが約3000BTC、Coinbase Primeが約1700BTCで、いずれも4月4日以降で最低水準だったという。

一般に、取引所への流入は短期的な売却意向を測る指標とされる。取引所に送られる数量が減ったことは、それだけ短期売りに備えたコインが少なかったことを意味する。ただ、これだけで新たな買い需要の発生を示すとは言い切れない。中規模保有者が、ビットコインが6万2000ドル前後で推移する局面でも、取引所への移転を抑えていたことを示す材料とみるのが自然だ。

市場の焦点は今後、5万9000ドル近辺の流動性帯で実際に大規模な清算が起きるか、あるいは取引所流入の減少が下値の支えにつながるかに移っている。短期的には年初来安値の再試し余地が残る一方、需給データは下落が直ちに相場の崩れを意味するとは言い切れないことも示している。

Killaは次のように述べた。

「いずれBTCは上位時間軸(HTF)の主要な流動性を先回りする。上方向で14万ドルの流動性を先回りしたように、下方向でも同じことが起こり得る。多くの参加者には信じがたい展開になるかもしれない。6万ドル割れを取りに行かないと言っているわけではないが、検討に値するシナリオだ」

キーワード

#ビットコイン #暗号資産 #強制清算 #RSI #流動性帯 #取引所流入 #Binance #Coinbase #CryptoQuant
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.