Galaxy Digitalのマイケル・ノボグラッツ最高経営責任者(CEO)は、ビットコイン相場の反発には米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが重要な契機になるとの見方を示した。金融引き締めが緩和に転じれば市場流動性が改善し、リスク資産への資金回帰が進む可能性があるとしている。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが20日(現地時間)に報じたところによると、ノボグラッツ氏はポッドキャスト出演時に、足元のビットコインの軟調地合いが長期化するとは限らないと指摘した。米金融政策が緩和方向に向かえば、市場心理も変化し得るという。
同氏は、ここ数カ月のビットコインについて、値動きの弱さに加え、個人投資家の関心低下や市場心理の悪化が重しになっていると分析した。その上で、ビットコインの上昇には緩和局面が必要だとの認識をあらためて示した。
背景として挙げたのが、FRBの引き締め姿勢による流動性の制約だ。市場の資金環境が厳しいため、ビットコインは主要な心理的節目を突破できずにいると説明した。
市場では、ビットコインのモメンタム鈍化を警戒する声も出ている。同じポッドキャストに出演したアンソニー・スカラムーチ氏は、ビットコインの相対力指数(RSI)が低下している点に触れ、相場の推進力が弱まっていると述べた。
Google検索件数がここ数年で減少し、市場の関心が過去最低水準まで落ち込んでいることも論点として取り上げられた。
ビットコイン保有の偏在も懸念材料の一つだ。スカラムーチ氏によると、流通するビットコインの79%は長期間動いていない保有者が握っているという。
こうした状況を巡っては、相場の底打ちサインとみる向きがある一方で、ビットコインが「死んだ資産」になりつつある兆候と受け止める見方もあり、解釈は分かれている。
これに対し、ノボグラッツ氏は「死んだ資産」との見方を否定した。ビットコインの長期見通しを判断するには、少なくとも来年、具体的には2027年3月前後まで見極める必要があるとし、短期的な指標だけで資産の存続力を結論づけるのは時期尚早だと語った。
足元の弱さについては、米金利が高水準で長く維持されるとの見方が市場で強いことを要因に挙げた。金融引き締めの長期化観測が、ビットコインだけでなく金相場にも重しになったとしている。
その一方で、米景気が減速し、FRBが最終的に利下げへ転じれば局面は変わり得るとみる。金利低下で借入コストが下がり、市場流動性が増せば、リスク資産選好が戻る可能性があるためだ。
ノボグラッツ氏はまた、多くの投資家が将来の利下げの可能性を十分に織り込んでいないとも指摘した。
もっとも、現在の市場環境が良好ではないことも認めている。足元のビットコイン市場は勢いを欠き、新たな買い手も乏しいとの見方を示した。新規資金の流入が限られており、上昇トレンドが続きにくいという認識だ。
ビットコイン中心の投資戦略に対する懸念にも言及した。ノボグラッツ氏は、マイケル・セイラー氏が率いるStrategyのビットコイン買い増し戦略について、負債と資本市場を活用した資金調達モデルに懸念があると述べた。
たとえビットコインの強気シナリオが維持されるとしても、市場参加者がこうした資金調達構造に敏感に反応していることを示しているとの見方だ。
それでも同氏は、ビットコインの成長ストーリーは終わっていないとの立場を崩していない。今後数カ月は、冷え込んだ投資家心理そのものよりも、FRBが政策転換に踏み切る可能性に注目すべきだとした。
景気が悪化し、利下げが再び政策課題として浮上すれば、この数カ月で薄れたビットコインの投資妙味が見直される可能性があるという。
このため、ビットコイン市場では当面、忍耐が必要だとの見方になる。短期的な弱さに一喜一憂するより、2027年3月前後を一つの節目として中長期の見通しを点検すべきだと提案した。
最終的には、相場反発の可否は価格水準そのものよりも、市場流動性と金利環境がいつ転換するかに左右されるとの認識を示した。