Metaが韓国で発売した「Ray-Ban Meta Gen2」と「Oakley Meta」。写真=Meta

Metaが韓国で発売したスマートグラス「Ray-Ban Meta Gen2」を試用した。写真や動画の撮影に加え、通話や音楽再生、AIへの音声質問にも対応する。スマートフォンを取り出さずに使える手軽さは大きな魅力だが、カメラ搭載機器ならではのプライバシー面には注意が必要だ。

AIを組み合わせたスマートグラスは、次世代ウェアラブルとして注目を集めている。Metaは5月25日、韓国で「Ray-Ban Meta Gen2」と「Oakley Meta」を発売した。

Ray-Ban Meta Gen2は、Wayfarer、Skyler、Headlinerの3モデルを用意する。前モデルのデザインや主要機能を引き継ぎつつ、カメラとバッテリー性能を強化した。Oakley Metaは、スポーツ向けのVanguardと日常使い向けのHSTNの2モデルをそろえる。

◆音声操作で写真・動画を撮影 装着者の視点をそのまま記録

今回試したのは、Ray-Ban Meta Gen2のSkylerモデルだ。見た目は一般的なRay-Banのサングラスに近く、いかにもスマートデバイスという印象は薄い。カメラやスピーカー、マイク、バッテリーを内蔵するが、外観は比較的自然にまとまっている。

つるはやや太めで、フロントの左右端にカメラとLEDを搭載する。この点を除けば、日常使いのサングラスと大きな違いはない。

装着感も大きな違和感はなかった。重さやつるの圧迫感が気になっていたが、短時間の使用では太めの樹脂フレーム眼鏡と大差は感じにくい。重量バランスが偏っている印象もなかった。

使い方はシンプルだ。スマートフォンにMeta AIアプリをインストールし、Bluetoothでペアリングする。右側のつる上部にあるボタンを1回押すと写真を撮影でき、長押しすると動画の録画が始まる。

実際に便利だったのは音声操作だ。Metaは韓国での発売に合わせて韓国語対応を始めた。「ヘイMeta、写真撮って」と話しかければハンズフリーで撮影でき、「ヘイMeta、動画撮って」でそのまま録画を開始する。

ボタン操作の必要がなく、声をかけるだけで使えるのは分かりやすい強みだ。荷物を持っている時や料理中、自転車での移動中、ペットの散歩中など、スマートフォンを取り出しにくい場面で使いやすい。歩行中に不意の場面に遭遇した際も、すぐに記録を始められる。

Ray-Ban Meta Gen2は1200万画素の超広角カメラを搭載する。撮れる写真や動画は、スマートフォンでの撮影とは構図が異なる。装着者の視線に近い一人称視点で記録できるため、その場で見ていた景色を比較的そのまま残しやすい。

撮影時には内蔵のオープンイヤースピーカーから効果音が鳴り、前面右側の白色LEDも点灯する。撮影中であることを周囲に知らせる仕組みだ。

動画は1080pで最大60fps、3Kで最大30fpsの撮影に対応する。1回当たりの最大録画時間は3分。歩きながら撮ると頭の動きがそのまま映像に反映されるため、視線をゆっくり動かせば自然に見える一方、急に頭を振ると映像も大きく揺れやすい。安定した映像を撮るには、手持ち撮影と同様に動きを抑える必要がある。

撮影した写真や動画はMeta AIアプリからスマートフォンに取り込める。取り込んだデータはスマートフォンのギャラリーにも保存される。FacebookやInstagramのアカウントでMeta AIアプリにログインしておけば、自身のSNSにすぐ共有できる。

◆通話や音楽再生にも対応 オープンイヤーで周囲の音を聞き取りやすく

Ray-Ban Meta Gen2は、オープンイヤースピーカーも備える。Bluetooth接続により、つるに内蔵したスピーカーで音楽を再生したり、通話したりできる。右側のつる外側を前後にスワイプして音量を調整し、再生・一時停止はタッチパッドのタップで操作する。

音楽を流していても車の走行音や周囲の話し声は聞き取りやすく、外の状況は把握しやすかった。ただし、オープン型のため音漏れの可能性はある。公共交通機関や静かな屋内より、散歩道などの屋外利用のほうが向いている。

AIアシスタントとしての機能も備える。装着したまま「ヘイMeta、今日の主要ニュースを教えて」「ヘイMeta、今何時?」といった質問をすると、オープンイヤースピーカーを通じて回答が返ってくる。「今見ている料理のカロリーを教えて」のように、カメラと連動して情報を尋ねる使い方も特徴の1つだ。

旅行先では観光地を見ながら情報を尋ねたり、飲食店でメニューの意味を確認したりといった使い方も想定できる。

一方で、AIが常に正確に対象を認識するわけではない。視界に複数の物体が入っている場面では、どれについて質問しているのかをうまく特定できないケースもあった。

◆最大8時間駆動 利便性の裏でプライバシー配慮も必要

Ray-Ban Meta Gen2は、一般的な利用環境で1回の充電当たり最大8時間使える。内蔵ストレージは32GB。音楽の連続再生や動画撮影、AI機能の利用頻度が高い場合は、実際の駆動時間が短くなる可能性がある。

充電は専用ケースに収納し、鼻当て付近の接点を通じて行う。約20分でバッテリーを最大50%まで回復できる。USB Type-Cケーブルを本体に直接つないで充電する方式には対応しない。軽い汗や湿気には耐えるが、雨天での使用は避けたほうがよい。

韓国での価格は69万ウォンから。レンズ内に情報を表示するディスプレイを備えていないことを踏まえると、購入のハードルは決して低くない。それでも、スマートフォンを取り出さずに目の前の光景を撮影し、音楽を聴いたりAIに質問したりできる点は明確な利点といえる。

その一方で、一般的な眼鏡に近い外観のままカメラを内蔵しているため、撮影時には周囲の視線も気になる。LEDで撮影中であることは示されるものの、相手がすぐに気付かない可能性もある。ハンズフリーで日常を記録できる利便性は魅力だが、その分、他者のプライバシーに配慮した使い方が求められる。

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