ビットコイン(写真=Shutterstock)

ビットコインの6月の下落局面で、投資家の実現損失は2月の調整時ほど広がっていないことが分かった。オンチェーン分析企業のGlassnodeは、現物市場で買い板が厚みを増しており、売り圧力は和らいでいると分析。相場は7万ドルを回復できるか、6万ドル近辺で下値を維持できるかが焦点となっている。

Cointelegraphが17日(現地時間)に報じた。Glassnodeによると、ビットコインの6月の下落局面における実現損失は14億ドル(約2100億円)だった。2月の調整時の26億ドル(約3900億円)に比べ46%少ない。30日ベースの実現損益比率は約0.28まで低下し、市場は利益確定より損失確定が優勢となるカピチュレーション局面に入った。

一方で、実現損失の規模は2月時点ほど膨らんでいない。7日移動平均ベースの実現損失は、2月の売り局面では26億ドル(約3900億円)まで急拡大したが、6月は14億ドル(約2100億円)を付けた後、約5億5800万ドル(約837億円)まで低下した。同程度の価格帯で相場が再び不安定化したにもかかわらず、損失を受け入れて売却する投資家は減っていることを示す。

暗号資産アナリストのアクセル・アドラー・ジュニアは、今回の値動きを「2026年に入って2回目のパニック売り」とみている。実現損失のデータを根拠に、今回の投げ売りは2月時点のほぼ半分の水準にとどまったと指摘した。

資金流出ペースも鈍化している。Glassnodeによると、流通するビットコイン全体の平均取得単価を反映する実現時価総額は1兆700億ドル(約160兆500億円)だった。過去90日で同指標は1.45%低下しており、市場からの資金流出が続いてきたことを示す。ただ、7日変化率はマイナス0.18%まで縮小しており、1〜3月期に比べると流出ペースはほぼ止まったとみられる。

現物市場では、買い需要の強さも鮮明になっている。Binanceの現物板における不均衡比率は0.8で、2025年12月以降では買い側の流動性が売り板を最も大きく上回った水準だという。価格下落時に供給を吸収する需要が強まり、反発局面での売り圧力が弱まっているシグナルとされる。

デリバティブ市場では、過度なポジションの整理も一部で進んだ。Binanceのビットコイン建玉の24時間変化は、2億5800万ドル(約387億円)の増加から6億2000万ドル(約930億円)の減少へ転じ、約8億7800万ドル(約1317億円)規模の純反転が発生した。4月以降では最大級の日次反転の一つだという。

足元で最も明確な改善シグナルは、現物市場の流動性にある。Glassnodeは、買い板の強化によって下落局面で供給を吸収する余力が高まったとみる。市場では、ビットコインが再び7万ドルを回復できるか、それとも6万ドル近辺で下値を固められるかに注目が集まっている。

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