米CNBCは16日(現地時間)、ジム・クレイマー氏がSpaceXの企業価値上昇について、足元の業績や利益創出力よりも、イーロン・マスク氏個人に対する市場の信頼が大きいとの見方を示したと報じた。
クレイマー氏は、SpaceXの高い評価は伝統的なバリュエーション手法だけでは説明しにくいと分析。今後数年にわたって赤字が続く可能性があっても、マスク氏が率いる企業であること自体が現在の評価を支えているとの認識を示した。
SpaceXは最近の取引を経て、世界有数の企業価値を持つ企業の一角に浮上した。16日には評価が約5%上昇し、企業価値は約2兆5000億ドル(約375兆円)に拡大。Amazonを上回り、一時はMicrosoftを超えたとされる。こうした上昇を受け、現在の評価が妥当かどうかを巡る議論も強まっている。
マスク氏は、SpaceXが2030年までに年間売上高1兆ドル(約150兆円)を達成できるとの見通しを示している。ただ、クレイマー氏は投資家が注目しているのはこの数字だけではないと指摘した。市場は、マスク氏の事業構築の実績に加え、大胆な構想を事業機会に変える力そのものに価値を見いだしているという。
SpaceXは、Starlinkによる衛星インターネット事業と再利用ロケット事業を展開している。長期的にはデータセンター構想も進めている。さらに16日には、AIコーディングのスタートアップであるCursorを、600億ドル(約9兆円)規模の株式取引で買収すると報じられ、AIとソフトウェア開発ツール分野の拡大を後押しした。
一方、SpaceXは現在も赤字で、期待される事業機会の多くはまだ本格的な収益化に至っていない。それでもクレイマー氏は、これらの事業が最終的に大きな成長要因になり得るとみている。一部の投資家はSpaceXを、ウォーレン・バフェット氏の時代のBerkshire Hathawayのように、長期的な価値創出が見込める経営者に投資する手段として捉えているとも語った。
企業価値を巡る論争が続く中でも、買いは衰えていない。クレイマー氏は、評価を巡る議論の最中でも投資家の買いが評価を押し上げていると述べた。