Bitwiseの最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏は、ビットコイン投資で重要なのは底打ちの有無を見極めることではなく、なお高値更新の余地が残っているかを判断することだとの見方を示した。
17日付のCoinPostによると、ホーガン氏は「ビットコインはすでに底を打ったのか」という問いそのものが、長期投資家にとっては適切ではないと指摘した。
背景にあるのは、主要機関が公表したビットコインの底打ち分析で、判断が大きく分かれていることだ。Galaxy Digital、NYDIG、Standard Charteredはいずれも底値水準を分析したが、採用した基準も結論も一致していない。
ホーガン氏は、仮にビットコインの高値更新がまだ織り込まれていないのであれば、それ自体が強い買いシグナルになり得ると説明した。
機関ごとの見方は分かれている。Galaxy Digitalは17年分の価格データを基に、底打ち判断に用いる13項目の指標を点検した。その結果、4項目が条件を満たし、2項目が一部合致、7項目は未達だったと分析した。
同社は基本シナリオとして、今回のサイクルの底値水準を4万〜4万6000ドルの範囲と見積もった。
NYDIGは、足元の下落局面が過去サイクルの底値圏と似た特徴を示している一方で、歴史的な底で見られたような全面的な投げ売りの段階には至っていないと評価した。
もっとも、機関投資家の資金流入によって今回のサイクルの下落率が過去より浅くなっているのであれば、すでに底打ちを終えた可能性もあるとの見方を示している。
Standard Charteredは、今回サイクルの底値を5万9000ドルと見ている。根拠として、米国とイランの核合意交渉の進展に加え、SpaceXの上場に向けた資金調達過程で意識されていたビットコイン現物ETFへの売り圧力が弱まる可能性を挙げた。
同社はあわせて、ビットコインが年内に10万ドルに到達し得るとの見通しも示した。
市場関係者の見方もおおむね同じ方向だ。Coinbaseのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)はX(旧Twitter)で、ビットコインは6万ドル近辺で底を打ったとの認識を示した。
アームストロング氏は現在もビットコインのロングポジションを維持しており、2030年には現在より大幅に高い水準にあるとの強気な見方も明らかにした。
ホーガン氏は、長期投資を支える環境要因も引き続き有効だとみている。政府債務の拡大、インフレ上昇、中央集権的な機関に対する不信感、デジタル化の進展が、ビットコインの長期的な上昇要因として残っていると評価した。
また、現在の市場環境は2022年の「暗号資産の冬」と比べれば良好だとも述べた。
ビットコイン市場では、短期的な底打ちを巡る議論とは別に、機関投資家の資金流入やマクロ環境の変化が、今回のサイクルの値動きをどう変えるかに関心が集まっている。底打ち判断は機関ごとに割れているものの、長期的な上値余地はなお残るとの見方が、投資判断の軸を見直す材料になっている。