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Amazon Web Services(AWS)は、米量子コンピューティング企業QuEra Computingと連携し、誤り耐性量子コンピュータの商用化を進める。まずは今後2年以内に誤り訂正機能を備えた量子システムをAWS上で提供し、2028年までに大規模な論理量子ビットに対応する次世代機「Libra」の実現を目指す。

15日付のSiliconANGLEによると、AWSは2028年までに、既存システムでは解決が難しい複雑な科学問題に対応できる次世代の量子コンピューティング環境を研究者向けに提供する方針を示した。

今回の協業の焦点は、量子コンピューティングの商用化に向けた最大の課題とされる誤り耐性の確立にある。量子コンピュータの基本単位である量子ビット(qubit)は外部環境の影響を受けやすく、わずかな振動や電磁場の変化でも量子状態が乱れ、計算エラーにつながる。

このため業界では、エラーを自律的に補正できる誤り耐性技術の確立が、実用的な量子コンピュータの実現に不可欠とみられてきた。

QuEraは、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らが2018年に設立した量子コンピューティング企業だ。IBMやGoogleが超伝導回路ベースの量子コンピュータを開発するのに対し、QuEraは中性原子方式を採用する。

同社は、リュードベリ状態の原子を精密レーザーで配列・制御する技術を強みとする。こうした方式により、数千規模の量子ビット環境でも安定性と拡張性の両立を目指している。

両社の協業は今回が初めてではない。QuEraは2022年、256量子ビット規模のアナログ量子コンピュータ「Aquila」を、AWSの量子コンピューティングサービス「AWS Braket」で提供した。

AWS Braketは、複数の量子コンピュータをクラウドから利用できるマネージドサービスだ。利用者は既存のクラウド資源と量子システムを組み合わせたハイブリッドな計算環境を活用できる。

次の段階として、両社は次世代システム「Libra」の開発に注力する。AWSによると、Libraは毎秒100万回超の量子演算を実行し、誤り訂正を適用した数百の論理量子ビットを扱う「MegaQuOp」級システムになる見通しだ。

計画が実現すれば、新素材開発や量子化学、高エネルギー物理学などの分野で、既存のスーパーコンピュータを上回る性能を発揮する可能性があるという。

QuEraはこの2年間で、単一のコンピューティングモジュールで数千の量子ビットを同時制御できる技術的な可能性を実証してきたと説明した。ミハイル・ルーキン最高科学責任者(CSO)は「有用な誤り耐性量子コンピュータの実現という夢が、初めて現実的な目標になった」と述べ、「Libraは前例のない規模の量子演算を実行し、新たな応用分野を切り開くよう設計している」とコメントした。

AWSは、量子コンピューティング市場が単一の技術に収れんするとはみていない。企業が用途に応じて異なるデータベースやコンピューティングインスタンスを使い分けるように、量子システムでも用途別に異なるアーキテクチャが定着する可能性が高いと判断している。

このためAWSは、QuEraの中性原子方式とは別に、AWS量子コンピューティングセンターでキャット量子ビットベースの技術開発も並行して進めている。

今回の発表は、AWSが特定の量子ハードウェアに絞り込むのではなく、クラウド上で複数のアーキテクチャを受け入れるプラットフォーム戦略を強化していることを示すものだ。両社はまず2028年の目標達成を目指し、その後はLibraの最適化を進めながら、新薬設計や金融サービスなどへの応用拡大も視野に入れる。

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