Rippleの幹部は、銀行など伝統的な金融機関でデジタル資産への関心が高まっている一方、実際の導入にはなお高いハードルがあるとの認識を示した。こうした需要を取り込むため、同社は欧州で拠点拡充や人員増強、ライセンス取得を進めている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが15日(現地時間)に報じたところによると、Rippleで欧州展開を担当するキャシー・クラドック氏は、銀行や金融機関が暗号資産の利点を、よりシンプルな形で活用したいと考えていると語った。
同氏は最近出演したポッドキャストで、伝統的な金融機関の間では、発展途上にある暗号資産業界の中でも実績を持つ企業との協業ニーズが強いと説明した。そのうえで、Rippleはそうした要請に応えられる事業者だと強調した。
Rippleが10年以上にわたり市場で事業を展開してきたことも、信頼獲得につながっているという。クラドック氏は、創業初期から主要銀行と協業してきたほか、長年にわたり世界的な大手顧客に対応してきた実績が差別化要因になると述べた。
一連の発言からは、銀行がデジタル資産そのものの有用性だけでなく、導入プロセスや安定運用を重視していることがうかがえる。新技術を自前で構築するよりも、大手顧客への対応実績を持つ企業と組む姿勢が鮮明になっている。
Rippleは欧州事業の拡大も加速させている。クラドック氏によると、ロンドン拠点はサンフランシスコ本社に次ぐ規模のオフィスだという。
ロンドンが大規模な金融サービスの集積地であることから、Rippleは英国に大きな事業機会を見いだしており、その結果として優秀な人材の確保にもつながったと説明した。
現在、Rippleの欧州事業の人員は約200人。クラドック氏は、最近の買収を通じて採用拡大が可能になったと述べた。
また、Rippleは欧州で大規模なカストディ事業も手掛けており、顧客には一部の大手銀行も含まれるという。現地のプロダクトチームとジュネーブのエンジニアリングチームへの投資拡大が重要だとした。
欧州域内での拠点拡大も続けている。クラドック氏は、Rippleがルクセンブルクにオフィスを開設し、アイスランドとアイルランドにも拠点を置いていると明らかにした。
そのうえで、同地域への投資を継続する方針を示し、現在取得を進めているライセンスにも期待を寄せた。
こうした動きからは、Rippleが暗号資産企業の枠にとどまらず、伝統的な金融機関のデジタル資産参入を支えるインフラ事業者として事業領域を広げようとしている姿勢がうかがえる。欧州ではカストディ、人材、ライセンスへの投資を並行して進め、銀行顧客基盤の拡大を図る構えだ。