ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインの長期保有者による取引所流入が、2015年以降で低い水準にとどまっている。CryptoQuantの分析によると、保有期間6カ月超の長期保有者(LTH)による取引所流入の年平均は、足元で1日800BTC強。市場では、潜在的な売り圧力が抑えられている可能性が意識されている。

ブロックチェーンメディアのCoinpostが15日付で伝えたところによると、CryptoQuantのアナリスト、ダークポスト氏は、LTHによる取引所流入の年平均が低水準にあると分析した。

足元の水準は5月上旬の約630BTCからはやや増えた。ただ、2015年以降の推移と比べれば、なお低位圏にある。長期保有者がビットコインを取引所へ移す動きは売却につながりやすく、この指標は市場の潜在的な売り圧力を測る目安とされる。

ダークポスト氏は、短期と長期の動きを分けてみる必要があると指摘した。短期的には取引所流入が通常水準を上回る場面がある一方、年平均ベースでは流入量の減少傾向が続いているという。こうした動きは一時的な変動ではなく、構造的な変化である可能性があるとの見方を示した。

異常な売り圧力を見極める目安としては、年平均の5倍超の流入を挙げた。過去にはこうした急増局面が複数回確認されたが、足元では同様の短期的な急増が起きても、中長期への影響は以前より小さくなっていると評価した。

背景としては、長期保有者の構成変化がある。ビットコインETFの承認後、機関投資家の本格参入が進み、長期保有層の性格自体が変わった可能性があるという。LTHという同じ区分でも、その内訳は過去とは異なる投資家層で構成されている可能性があるということだ。

同氏は、機関投資家や長期志向の参加者の増加によって保有姿勢が強まり、結果として取引所流入が構造的に減っている可能性があるとみている。取引所流入の減少は、単なる売却時期の先送りではなく、保有戦略の変化を反映しているとの解釈だ。

市場では、長期保有者の取引所流入の減少は、目先の売り圧力の緩和を示すシグナルと受け止められる。ただ、ダークポスト氏は、短期的には急激な流入増加がなお起こり得るとも指摘した。長期指標が安定していても、短期的な変動まで消えたわけではない。

今後の焦点は、LTHの取引所流入の年平均が再び急速に増加するかどうかにある。あわせて、ETF承認後に流入した機関資金が、実際に長期保有志向を維持するかどうかも注目点となる。長期保有層の性格変化が定着すれば、ビットコイン市場の売り圧力の構造も過去とは異なるものになりそうだ。

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