15日のアジア株式市場では、米国とイランが中東紛争の終結に向けて合意したとの報道を受け、技術株が全面高となった。中東情勢の緊張緩和への期待から投資家のリスク選好が強まり、半導体やAI関連銘柄に買いが集まった。
CNBCによると、SoftBank Groupは同日の取引時間中に株価が一時12%超上昇し、アジアの主要技術株の中で最も大きい上昇率を記録した。
半導体関連株も軒並み高かった。東京エレクトロンは9.19%高、Advantestは7.69%高だった。
韓国市場ではSamsung Electronicsが4.65%高、SK hynixが6.42%高。台湾市場では、世界最大のファウンドリーであるTSMCが2.16%高、Foxconnとして知られるHon Hai Precision Industryが2.5%高となった。
市場では、中東の対立が早期に収束するとの観測がリスク選好を支えた。投資家は、米国とイランの合意が軍事面の不透明感を和らげ、エネルギー輸送や世界のサプライチェーンを巡る懸念の軽減につながる可能性があると受け止めた。
パキスタンのシェバズ・シャリフ首相は14日、イランと米国が紛争終結に向けて合意し、双方があらゆる戦線での軍事作戦を即時かつ恒久的に停止することで決定したと明らかにした。正式な署名式は19日にスイスで開かれる予定だと説明した。
ドナルド・トランプ米大統領も自身のSNS「Truth Social」で、「イラン・イスラム共和国との合意が完了した」と投稿した。あわせて、ホルムズ海峡の通航再開や、米国によるイランへの海上封鎖の終了にも言及し、「石油を再び流れさせろ」と強調した。
ここ数週間、上昇基調が続いていた技術株には、この日は地政学面での安心感も追い風となった。SoftBank Group、Samsung Electronics、SK hynixはいずれも、AI投資拡大への期待を背景に、足元で強い値動きを見せていた。
特にSamsung ElectronicsとSK hynixは先月、そろって時価総額が1兆ドルを突破した。SoftBank Groupも足元では、日本株市場で最も企業価値が高い企業に浮上している。
市場では、今回の上昇が単なる地政学リスク後退による短期的な反発にとどまらない可能性も指摘されている。BNPパリバ・アセットマネジメントでアジア(日本除く)地域コア投資の最高投資責任者(CIO)を務めるエカテリナ・ビゴス氏は、投資家が一部でポートフォリオを調整しつつも、「それでもAI競争に残りたいと考えている」と述べた。
こうした値動きは、中東リスクの緩和とは別に、投資家がAIと半導体産業の成長期待を維持していることも示している。実際、この日のアジア市場では技術株と半導体関連が上昇を主導した。
業界では、中東情勢の緊張緩和が現実のものとなれば、エネルギー価格の安定やサプライチェーンを巡る不確実性の低下を通じて、世界の技術企業の投資環境にも追い風になるとの見方が出ている。地政学リスクの後退とAI産業の成長という2つの材料が、技術株相場をどこまで押し上げるかが注目される。