写真=Ericsson

Ericssonは6月15日、基地局のベースバンド部と無線部に通信事業者向けのAIモデルを適用し、5Gネットワークの性能と運用効率を高めるソフトウェアソリューション「AI in RAN」を発表した。追加ハードウェアなしで既存の5Gネットワークの性能、容量、省エネを改善し、AIネイティブRANへの移行を後押しする狙いだ。

同社によると、AI in RANは基地局のRAN環境でリアルタイムに動作するAIモデルを基盤とする。高品質なデータを継続的に活用できるソフトウェアアーキテクチャと、エージェント型AIの適用によって、ネットワークの自動化と運用効率の向上を図る。

AIモデルはマイクロ秒単位の超低遅延推論に対応する。無線環境やユーザートラフィックが急変する場面でも、AIがリアルタイムでデータを分析し、ネットワークリソースを動的に調整できるよう設計した。

AI in RANは、同社の専用ハードウェア基盤プラットフォームとCloud RANプラットフォームの双方で利用でき、5G Advancedと連携する。自社開発シリコンを用い、無線装置や最新のRANコンピュート機器上でAI推論を処理するほか、Cloud RANではパートナープラットフォームにもAI機能を柔軟に展開できるとしている。

初期機能は2026年第2四半期から順次提供する。主な機能として、無線リンクの状態に応じて伝送方式を調整するAIネイティブスケジューラー、AIベースのマクロポジショニング、AIベースのビームフォーミング、AIベースのマルチキャリア管理、性能管理イベントデータや詳細な統計指標を挙げた。

Ericssonは、世界で15件超の商用導入・試験適用を通じて性能改善の効果を確認したと明らかにした。ダウンロードスループットは最大20%、周波数利用効率は最大10%向上した。トラフィックが集中する環境では従来比で最大2倍のユーザーを収容でき、カバレッジ予測精度は90〜95%を記録した。ユーザー位置測位の精度も最大5倍改善したという。

韓国ではSK TelecomがEricssonと協力し、AI-RAN技術の高度化を進めている。両社は、ネットワーク性能とエネルギー効率の向上に加え、知能化・自動化されたネットワーク運用環境の構築に向け、研究開発と商用網での実証を進めている。

リュ・タクギSK Telecomネットワーク技術担当は「Ericssonと協力してAI-RAN技術の高度化を進め、ネットワーク性能とエネルギー効率の最大化に取り組んでいる」とコメントした。その上で、「研究開発と実ネットワークでの実証、ソフトウェア革新を通じて、AIネイティブ6G時代の基盤を整えていく」と述べた。

Ericssonでネットワーク戦略・製品管理統括を務めるモルテン・レルナー氏は、「Ericssonは強力なAI機能を通信事業者ネットワークに適用することで、モバイルネットワークの可能性を改めて定義している」と語った。

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