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中国の人工知能(AI)市場で、競争の軸がモデル性能から実際の事業価値へ移りつつある。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が14日(現地時間)に報じたところによると、JPモルガンの中国株リサーチ責任者アレックス・ヤオ氏は、中国のAI市場が「百モデル戦争」とも呼ばれた乱立局面から、世界で戦える少数の有力企業を中心とする構図に急速に再編されているとの見方を示した。

ヤオ氏は、消費者向けサービスで培った機能を、企業向けの安定したインフラへ転換できる企業が商業化で先行すると分析した。中国テック企業のAI収益化競争は、単なる技術性能ではなく、「測定可能な事業価値」をどこまで示せるかに重心が移っているという。

中国のAIモデルが一部の性能指標で米国の最先端モデルに及ばない場合があっても、それが中国市場での事業化を左右する決め手にはならないとの認識も示した。中国では米国製モデルへのアクセスが難しくなっており、市場では実用性の比重が高まっているためだ。

ヤオ氏は「アインシュタイン級の知能を持つモデルが必要なわけではない」とし、「優秀な修士卒レベルの能力があれば、実務には十分対応できる」と述べた。

また、中国の消費者はソフトウェアに対価を払いたがらないとの見方についても、過大評価されている可能性があると指摘した。導入を左右するのは価格そのものより、明確で実証可能な価値だとしている。

各社の収益化策も動き始めている。ByteDanceは5月上旬、AIアプリ「Doubao」に月額68元から500元のサブスクリプション料金を導入した。

AlibabaとTencentは、消費者向けの課金体系をまだ打ち出していないものの、AIを自社ソフトウェアのエコシステム全体に積極的に組み込んでいる。

Alibabaは「Qwen」AIエコシステムをKFCやLuckin Coffeeなどの提携先に開放した。Tencentは「WeChat」をAIエージェント機能の展開基盤として活用している。

大手の消費者向けインターネットプラットフォーム各社は、AIを活用することで、電子商取引やビデオゲームといった周辺の高付加価値分野へ展開を広げる余地があるとみられる。

一方、JPモルガンは、より大きな収益機会は企業向け市場にあるとみている。ヤオ氏は、JPモルガンの試算として、世界の企業向けAI市場は消費者向けAI市場のおよそ4倍の規模になる可能性があると明らかにした。

足元で収益化をけん引する主要分野の一つとして挙げたのが、AI支援によるソフトウェア開発だ。

この分野では、AlibabaやByteDanceなどの大手テック企業に加え、Zhipu AIのようなAIスタートアップも競争を繰り広げている。Zhipu AIは2025年9月に「GLM Coding Plan」を投入し、Anthropicの「Claude」より低コストな代替手段として訴求した。

ヤオ氏は「当面は利益が明確に見えにくい可能性はある」としつつ、「商用売上高の拡大トレンドは明確だ」と述べた。

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