米政府がAnthropicの最新AIモデル「Fable5」と「Mythos5」を輸出管理の対象とし、外国籍者によるアクセスを全面的に禁じた。Anthropicは規制順守のため対象ユーザーの接続を停止した一方、今回の措置は誤解に基づくものだとして反発している。
Anthropicが12日(現地時間)に明らかにしたところによると、同社が米東部時間午後5時21分に受け取った指針では、国家安全保障を理由に、Fable5とMythos5へのアクセスをすべての外国籍者に対して禁止するとされた。対象には、米国内に滞在する外国人やAnthropicの外国籍社員も含まれる。Anthropicによれば、同社のその他のモデルは今回の措置の影響を受けない。
米政治メディアのAxiosは、この指針がハワード・ラトニック米商務長官からダリオ・アモデイAnthropic最高経営責任者(CEO)に宛てた書簡の形で伝えられたと報じた。Anthropicとは別の企業がMythosに対する脱獄手法を見つけたと主張し、米商務省がこれを安全保障上の脅威と判断して輸出管理指針を出したとしている。
Axiosはまた、米政府がこれに先立ち、Anthropicによるモデル公開そのものを阻止しようとしたものの実現せず、今回の措置に至ったとも伝えた。
アクセス制限は数週間続く見通しだという。Axiosが政府関係者の話として報じた。
これに対しAnthropicは、今回の措置は誤解に基づくものだと反論した。公式声明では、政府は現時点で具体的な脱獄の証拠を示しておらず、口頭での説明しか受けていないと説明した。
同社によれば、自社で検証したデモでは、問題とされた脆弱性はOpenAIのGPT-5.5を含む他の公開モデルでも同様に再現可能だった。しかも、その手法はセキュリティ専門家が日常的に用いる水準のものだとしている。
さらにAnthropicは、限定的な潜在的脱獄手法が確認されたことだけを理由に、広く提供されている商用モデルの提供を止めるべきだという見解には同意できないと表明した。この基準を業界全体に適用すれば、すべてのフロンティアモデルの新規提供が事実上止まると強調している。
そのうえで同社は、政府には安全でないAIの流通を止める権限が必要だとしつつも、その行使は透明かつ公正で、技術的事実に基づく法的手続きによるべきだと主張した。今回の措置はそうした原則に合致していないとし、今回のアクセス停止は米政府との最近の対立の延長線上にあるとの認識も示した。
なお、これに先立ち米国防総省はAnthropicをサプライチェーンリスク企業に指定し、政府調達の対象から外していた。