写真=マイケル・セイラー氏(Strategy会長、マイケル・セイラー公式サイトより)

マイケル・セイラー氏が、Ethereumの競争力低下に改めて言及した。SolanaやBNB Chain、Sui、複数のレイヤー2ネットワークの台頭によってEthereumの優位性が揺らいでいるとの見方を示した一方、市場ではEthereumを巡る悲観論をそのまま受け入れる動きは限定的だ。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが11日(現地時間)に報じたところによると、セイラー氏はSolana、BNB Chain、Sui、Hyperliquid、さらに各種レイヤー2ネットワークがEthereumに圧力をかけており、投資家の信頼も弱まっていると主張した。

同氏の主張の軸にあるのは、エコシステムの成否を左右するのは「ナラティブ」ではなく「実用性」だという点だ。実際、Ethereumは足元の下落局面で、主要暗号資産の中でも相対的に弱い値動きが続いた。

価格は50日、100日、200日の各移動平均線を下回り、主要サポート水準も割り込んだ。相対力指数(RSI)もしばらく売られ過ぎ圏にとどまり、価格は1600ドル近辺まで下落した。

逆風は価格面にとどまらない。Solanaは個人投資家の活動を取り込み、Hyperliquidは無期限先物市場で存在感を高めている。Ethereumが進めてきたレイヤー2戦略についても、スケーラビリティ向上と引き換えに流動性を複数ネットワークへ分散させたとの見方が出ている。

もっとも、市場ではEthereumへの信認が崩れたと断じるのは早計だとの見方もある。仮に信認が本当に失われているのであれば、機関投資家がEthereum基盤の事業を継続的に拡大する説明がつきにくいからだ。

Ethereumはなお、スマートコントラクト分野で最大級のエコシステムを維持している。DeFiで最も厚い流動性が集まるネットワークの一つであり、複数の機関向けブロックチェーンプロジェクトでも主要な決済レイヤーとして機能しているとされる。

セイラー氏の過去の見方と、足元の市場の実態とのずれも改めて浮かび上がった。同氏は2024年当時、Ethereum現物ETFの承認可能性は低く、Ethereumが意味のある機関投資家の採用を得るのは難しいとの見方を示していた。

だが、その後Ethereum現物ETFは実際に市場に投入され、数十億ドル規模の資金を集めた。現在では、機関投資家向け商品の一角として定着したとの見方も出ている。

Ethereumを取り巻く市場環境が厳しさを増している点は否定しにくい。ネットワーク活動の伸びは鈍く、価格変動も限定的な中で、競合ネットワークはシェアを広げている。

それでも投資家の間では、Ethereumが存続の危機にあるとの見方は広がっていない。経済的価値、開発者活動、機関投資家の採用という面で、最大のスマートコントラクト基盤としての地位をなお保っているためだ。

市場は足元でEthereumの価値をより低い価格帯で見直しているが、焦点は単なる価格反発ではない。競争が一段と激しくなる中でも、ネットワーク活動の回復、流動性の改善、機関需要の持続をEthereumが示せるかどうかが今後の注目点となる。

セイラー氏は「ETHへの信頼は崩壊した」との認識を示した上で、「それは通貨ではない。支配的なデジタル通貨ネットワークはBitcoinだけだ」と述べた。

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