写真=KakaoBank

KakaoBankは6月9日、取引前後の行動パターンまで分析するAIモデル「シーケンス検知モデル」を開発し、異常取引検知システムに導入したと発表した。試験導入後、金融詐欺の未然防止件数は導入前に比べて月平均で4.4倍に増加したという。

シーケンス検知モデルは、送金や出金といった単一の取引結果だけでなく、その前後の行動の流れを捉えるAIモデルだ。データ同士の関連性や時系列の流れを把握する「アテンション」メカニズムを適用し、取引の発生順序、行動間の時間間隔、端末変更の有無などを総合的に判断する。

顧客の行動を一連のシーケンスとして分析できるのが特徴で、アプリへの接続後に取引が続いた後、特定の時点で活動が中断し、その後に再開するパターンも検知する。KakaoBankは、こうした中断時間がボイスフィッシングの手口と重なるケースが多いと説明している。

同社は2025年11月に同モデルを試験導入した。以降、異常取引検知システムのモニタリングを通じた金融詐欺の予防件数は、導入前と比べて月平均で4.4倍に増えたとしている。

本格運用に入った2026年1~3月期には、金融詐欺の疑いがある事例全体のうち、シーケンス検知モデルが単独で検知した割合が49.8%に達した。

また、ボイスフィッシングに使われる募集口座(名義貸し口座)の事例や、携帯電話の変更後に端末を犯罪組織に渡す「端末譲渡」の疑いがある事例も検知し、取引を未然に遮断したケースもあった。

KakaoBankは今後もシーケンス検知モデルの高度化を進め、複雑化する金融詐欺の手口に対応していく方針だ。

同社関係者は「シーケンス検知モデルの開発と導入により、行動の流れに基づいて異常取引を予測できるようになった」としたうえで、「今後も技術の研究開発を通じて高度化する金融犯罪に先回りして対応し、安全な金融環境の構築につなげたい」とコメントした。

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