Appleの折りたたみiPhoneの予想図。画像=9to5Mac

Appleが投入するとみられる折りたたみiPhoneとタッチ対応MacBookが、中長期的にiPadの立ち位置に影響を及ぼす可能性が出てきた。米ITメディアの9to5Macは5月28日(現地時間)、両製品が直ちにiPadの販売を大きく左右する可能性は低いとしつつ、将来的にはタブレットの位置付けそのものを見直す要因になり得ると伝えた。

焦点となるのは、iPadがこれまで担ってきた中間的な端末としての役割だ。スティーブ・ジョブズ氏はiPad発表当時、iPhoneとMacの間を埋める「第3のデバイス」が必要だと説明していた。

この構想は、過去16年の販売実績を見る限り、一定の成果を上げてきたといえる。ただ、Appleの他製品がiPadの主な利用領域に入り込めば、その前提は変わりかねない。

まず、折りたたみiPhoneはApple初のフォルダブル端末になると見込まれている。折りたたんだ状態では通常のiPhoneのように持ち歩け、開けばiPad miniに近い画面サイズと使い勝手を提供する可能性があるという。

9to5Macは、展開時には「iPad miniのように見え、同じように動作する可能性がある」と指摘した。現在のiPadが持つ「携帯性」と「より広い表示領域」の組み合わせを、折りたたみiPhoneが一部代替する可能性があるという見方だ。

一方、タッチ対応MacBookは、MacBook Proの刷新モデルとして取り沙汰されている仮称だ。Appleが長期的にMac製品群全体でタッチ入力を広げれば、iPadの主要な差別化要素の1つが薄れる可能性がある。

9to5Macも、Appleが最終的にMac全体へタッチスクリーンを展開するのであれば、iPadは現在の大きな優位性を1つ失うことになるとみている。

もっとも、年内に発売されたとしても、当初の影響は限定的にとどまる公算が大きい。折りたたみiPhoneは高価格になりやすく、初期は一部ユーザー向けの製品になる可能性が高いほか、タッチ対応MacBookも同様にアーリーアダプター中心の市場になるとみられるためだ。

9to5Macも、今年登場する製品はいずれも「ニッチなアーリーアダプター向け」になるとの見方を示している。

ただ、問題は時間の経過とともに変化が積み上がる点にある。折りたたみ端末の価格が下がり、画面サイズの選択肢が広がれば、一部のユーザーはiPadを別に持たず、折りたたみiPhone 1台で必要な作業をこなすようになる可能性がある。

さらに、タッチ対応MacBookが定着すれば、iPadは「持ち運べる大画面」と「タッチ入力」という2つの軸で、Appleの自社製品との競合に直面することになる。

こうした流れのなかで、iPadの課題はより明確になっている。新たな使い方や独自の役割を打ち出せなければ、製品としての存在意義が揺らぐ恐れがあるためだ。

9to5Macは、iPadが進化を続けなければAppleの他製品に領域を侵食されるリスクがあると指摘した。5年先を見据えると、その将来を楽観しにくいとの見方も示している。

Appleにとっては、製品同士の境界線をどう引き直すかが一段と重要になりそうだ。折りたたみiPhoneがスマートフォンと小型タブレットの境目を縮め、タッチ対応MacBookがノートPCとタブレットの重なりを広げれば、iPadはその間で新たな存在理由を示す必要がある。

このため、注目点は年内の新製品投入そのものより、iPadが今後どう進化するかに移りつつある。現在の形状や強みだけでは、Apple製品群の再編のスピードに対応しにくいとの見方が強まっている。

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