Kiaの小型電動SUV「EV3」が、ドイツの自動車専門誌「Auto Zeitung」による電動クロスオーバー比較試験で首位を獲得した。総合得点は3039点で、実走行での航続距離は335kmと参加車中で最長だった。
EV関連メディアのElectrekが28日(現地時間)に報じた。比較対象となったのは、EV3のほかRenault 4 E-Tech、BYD Atto 2、Suzuki e-Vitara、Ford Puma Gen-Eの計5車種。EV3は2位のRenault 4 E-Tech(2936点)、3位のBYD Atto 2(2928点)を上回った。
評価は、居住性・実用性、乗り心地、パワートレイン、走行性能、コストパフォーマンスの5項目で行われた。EV3は全項目で高い評価を得て、実走行テストでも335kmの航続距離を記録した。
Auto ZeitungはEV3について、快適なシートとバランスの取れた乗り味、応答性に優れた150kWの電動パワートレインを評価した。Kia Connectを基盤とするコネクテッド機能についても、日常での使い勝手と走行性能を高い水準で両立しているとした。
Hyundai Motor GroupのEV専用プラットフォーム「E-GMP」の採用も強みとして挙げた。荒れた路面からの衝撃を効果的に吸収する洗練されたサスペンションと、長距離移動に適した快適な乗り心地を両立していると評価している。
EV3は2024年末の欧州発売以降、販売を伸ばしてきた。欧州では最大375マイル(約603km)の航続距離と、約3万6000ユーロからの価格が訴求点となり、主要市場で人気を集めた。英国では発売初年度にTesla Model Y、Model 3に次ぐEV販売3位となり、欧州全体でも10位に入った。2026年初め時点でも、ドイツを含む複数市場で人気EVの1車種となっている。
Kiaはこうした流れを受け、米国市場への投入準備も進めている。EV3は4月に北米で公開されており、米国では2026年末に2027年モデルとして発売する予定だ。KiaはEV3を、EV9の上級快適装備を幅広く取り入れた普及価格帯の電動SUVと位置付けている。
米国仕様のEV3は、Light、Wind、Land、GT-Line、GTの5トリムを設定する。ベースグレードのLightは58.3kWhバッテリーと前輪用モーターを搭載し、最大220マイル(約354km)の航続距離を見込む。上位のWind、Land、GT-Line、GTには81.4kWhバッテリーを採用し、前輪駆動仕様で最大320マイルの航続距離を想定している。
四輪駆動はWindとLandでオプション設定、GT-LineとGTでは標準装備とする。400Vアーキテクチャを採用し、58.3kWhモデルの急速充電時間は10%から80%まで約29分、81.4kWhモデルは約31分としている。
価格は米国での正式発売時に公表する予定だが、開始価格は3万5000ドル前後、またはそれ以下になると見込まれている。Kiaがこの価格帯を維持できれば、Chevrolet Bolt、Nissan Leaf、Hyundai Ioniq 5、Toyota bZなどと並び、米国の普及価格帯EV市場で有力な競合候補となる可能性がある。米国の第1四半期のEV販売上位10車種のうち8車種をSUVが占めたことも、EV3にとって追い風となりそうだ。